美術館の建物は「美術の殿堂」というような威圧感が全くなく、周囲の風景に調和するように斜面を利用して1階と地階に展示室が設けられており,前庭は芝生が広がって子供連れにも楽めるようになっている。
浦賀水道がすぐ目の前に広がり、ちょうど練習船海王丸が東京に向かっているところだった。8月の終わり、訓練航海も終盤の「 home bound 」だ。船乗りだった11年あまりの間に浦賀水道を数えきれないほど通ったが、ほとんどの場合は機関室でスタンバイ配置についていた。建造中の艤装員として半年、就航から1年半は二等機関士として乗船していた海王丸が浦賀水道を通るのをこうして陸地から見るのは初めてのことだった。
練習船は原油タンカーや自動車専用船などと比べるとはるかに小さいが、母なる船として確かな存在感を示している。偶然にその船の走る姿を見て感慨と郷愁にふけり、絵画の鑑賞も上の空だった。
美術館に来るときは,平野智紀さんの「美術館・博物館でしてはいけない8つのこと」が参考になる。
- 企画展「集まれ!おもしろどうぶつ展」は本日が最終日。幕末から現代までの絵画、彫刻、ポスターなど多くの作品を楽しんだ。
- 常設展では「第2期所蔵品特集:堂本右美 いきる」の他に、島田章三画伯の作品、海と横須賀をテーマにした作品など多数が展示されていた。そのなかに、帆船のメインマストに展帆した6枚の帆(Cource,Lower top sail,Upper top sail,Lower topgallant sail,Upper topgallant sail,Royal sail)をモチーフにした作品があって、東京港へ向かって走っていった海王丸を再び想った。
- 谷内六郎館<週刊新潮 表紙絵>展、週刊新潮でおなじみだが、ろうけつ染めの作品もあるとは知らなかった。
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