横浜国立大学の有元典文先生と慶應義塾大学SFCの岡部大介先生共著の『デザインド・リアリティ』を購入して読み始めた。副題は「半径300メートルの文化心理学」となっている。
目次だけをざっと見ると,これがなぜ心理学の本なのかと思ってしまう。著者である両先生の論文題目を見てみると次のようなのが並んでいて,とても気になっていた。
有元先生の場合は,たとえば「焼肉屋における能力の社会的達成」,「コスプレ・コミュニティにみる社会的ネットワークの拡張としての学習」など。
また,岡部先生の場合は「アニメ・漫画ファンにおけるメディアコンテンツ消費に関する文化横断的研究」,「中・高校生のメディア/テクノロジー消費に関する文化横断的研究」など。
読んでみると,「現実」というものが,与えられたものとして我々の目の前に存在するのではなく,我々の世界観,問題意識,歴史認識,興味,関心・・・といったものが「現実」を構成するという社会構成主義的な視点からの,この世界の見方や見え方のヒントが提示され,ますます興味深い。詳しいことは滋賀県立大学松嶋秀明先生のホームページに書評があるのでそちらを参照。
実は,本書の著者である岡部先生の名前を,「どこかで聞いたことのある名前だが?」と思っていた。しかし,12月20日の納得研究会で謎が解けた。この7月25日に慶應大学SFCで「メディアリテラシー研修講座」を受講したときの講師のひとりだということがわかった。岡部先生も納得研究会のメンバーであり,20日の納得研究会では大成丸でご一緒した。
今年はこういうことが重なる年だった。8月11日に「体験!情報デザイン」ワークショップへ行ったときに初対面だった吉岡先生が,10月18日の納得研究会においでになっていた。また,数年前に社会教育学会の講演前刷りを手にいれたことがあり(講演には行かなかったが),その中に「端艇実習のエスノグラフィー」という筑波大修士課程の院生の講演アブストラクトが目に止まった。筑波大の院生がなぜ「端艇実習」を論文題目にするのだろうと思っていたら,その院生が今は博士課程に進学していて,やはり12月20日の納得研に来ていた。12月20日の納得研会場となった大成丸の熊田船長は20年以上前に青雲丸で同僚だった。すべて納得研究会でのつながりである。世の中,意外なところで意外な繋がりの上に成り立っているのか?
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