2010-01-11

木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン

 恵比寿の東京都写真美術館へ「木村伊兵衛とアンリ・カルティエ=ブレッソン 東洋と西洋のまなざし 」を観に行った。
 ほぼ同時代を生きた木村伊兵衛(1901 - 1974)とアンリ・カルティエ=ブレッソン(1908 - 2004)の二人の写真を集めた展覧会で,同時に二人の写真を堪能できた。この時代の写真家では,2008年秋に日本橋三越へロベール・ドアノー写真展『パリ・ドアノー~Paris en liberte』を観に行ったが,ともに時代の雰囲気(市井の人々の日常)を感じることができる。
 ふたりのコンタクトプリントの展示が目を惹いた。36枚撮りの中の1コマを選んで作品とする,その選択は,どのような眼で行われたのだろうか。1秒8コマの連写でデジタル撮影するのとは,1コマに対する覚悟も責任も異なるように思った。

2010-01-06

情報部会第6回研究会

 神奈川総合高校で今年度第6回の研究会が開催された。
 8本の発表と2本のポスターセッション、私の出番は午前11時半だった。参加者を半分に分けて片方のグループに「4枚カード問題」,もう片方に「ビール問題」を体験してもらい,そのあとでわが校での授業実践を報告した。情報という授業に対していろいろなアプローチがあり,なるほどと思うことも多かった。
 横浜国大,専修大,文教大,湘南工科大,明治大の先生や,情報科の教員を目指す大学生も参加して内容の濃い研究会だった。

 以下,ベタ打ちだが研究会の内容メモ書きを掲載する。
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情報部会第6回研究会 神奈川総合高等学校801教室
10時~17時
1.『情報A ~ペルソナ法を用いた課題学習~』横浜旭陵高校 海部弘先生
ペルソナ/シナリオ法:
H20年度情報部会主催の「情報デザイン」研修会(H20年7月)で,横浜デジタルアーツ専門学校の浅野先生による研修会を参考に授業を組み立てた。

ペルソナというと生徒はゲームを思いつく。ペルソナ:仮面→パーソナル
商品開発に用いられるひとつの方法
架空の人物を設定する。
その人物のプロフィールを細かく考える。
その人物が普段どのような行動をとるかを考える。

70年代80年代には
万人に受けることが良いこととされていたが、現代は、ピンポイントにターゲットを絞る。設定したペルソナならば絶対に買いたくなるものを作る。具体的なターゲットを設定し、その人のための商品開発をする。
使いやすさについてはユニバーサルデザイン。
欲しくなる物についてはピンポイントで開発(例:女性向け雑誌・・・ピンポイントでターゲットを絞る。)。

生徒の感想に、「自分が思っているよりもプランナーがいろいろなことを考えていることがわかった」というのがあった。そういうことがわかるということが目的のひとつでもある。
グループ学習の形態をとった。単位制の学校なので、隣の席の生徒が同じクラスとは限らない。そこで、グループ学習が有用・必要だと考えた。

ペルソナ法の効果
情報検索能力の向上、発表能力の向上、情報整理能力の向上、グループ学習の効果。
企業での商品開発・・・ひとりではおこなわない。グループで、協働でおこなう。そこにグループ学習をつなげる。
設定したペルソナの行動を作る。グループのメンバーでの話し合いを通じて、相手の考え方に触れることができた。
調査項目について、現代社会や家庭科などともかかわるところがある。
評価集計くん Ver.1.2使用。
作り手の都合による生産 → 使う側の都合を考えた生産。
グループワーク:自分中心でなく、設定したペルソナが良い体験を出来るように考える。
実践した感想:
① 自分の力を自覚するという効果があった。勉強に自信を持っていない生徒にも、意外に自分はできたと言う達成感があった。
② 自由に会社名を決めさせておこなったが、実際の具体的な会社を想定させようかと考えている。実際的なことで考えさせたい。

質問1:想定した人物(ペルソナ)の妥当性のチェックは?
答え:ペルソナとの一致度、相互に及び教員も評価している。
質問2:評価について重きを置いているところは?
答え:思考判断に重きを置いた。生徒の相互評価と自分の評価は対等。
大学教員:質問1のように、批判的思考力、自分たちのユーザ像が妥当かという判断する材料が大切。子供たちのペルソナを見ると、設定がめちゃくちゃで楽しかったとの感想があるが、どのように具体的・現実的なペルソナを設定できるか、その支援が必要。グループごとのペルソナの相互のレビューをするなどが必要ではないか?。
答え:班の中ではその手順を設けている。改善として次回は実際の会社を想定しようと思っている。ペルソナの行動を考えさせる。グループ相互のレビューはおこなわなかった。
補足:生徒が楽しんでおこなうにはこれでよいが、実際のペルソナ/シナリオ法ではインタビューなどをおこなって、ペルソナの妥当性を保障しなければならない。今回の場合には「体験」するというところ。

2.『川崎市立橘高校での情報A・Cの授業実践』川崎市立橘高校 布村覚先生
教科書に沿った授業実践から紹介したい。マルチメディアの統合、グループ学習など。
実習例:
(1)音声・音楽表現、音楽ファイルを作ろう:MIDIシーケンサ、トラックごとにはじめはリズム、次にベース、さらにピアノ、ビブラフォンなどを重ねてゆく。
没後70年のミュージシャンの作品を利用。(著作権OK)。3-4時間で作成する。

この後、メディア統合の実習に利用。
情報ADTM(音楽プログラミング)ミノ式シーケンサでMIDIファイル作成→PC内録音実習(音楽情報→音)Timidi MID→WAV→音楽編集実習(マルチトラックサウンド編集)これをWAVあるいはMP3などで保存可能。

(2)画像処理:ADOBEのphotshop使用(本校でOffice以外では唯一有償のソフト)
表計算ソフトによるグラフなども含めて、メディア統合・動画編集。携帯電話を利用、グループで数台利用可能。携帯の動画はパソコンで使うときには「携帯動画変換くん」などのソフトを使っている。そうしないと使えないので。3GP2などはパソコンで使えないため。AVIファイルを選択して変換。
動画編集のテーマ、リテラシーにかかわることだが、高校生活のマナー、ルールについて15秒または30秒の動画を作らせている。
音楽ファイルなどと統合し、ムービーメーカーで編集するというのが最終段階。
ムービーメーカー、表計算のグラフなどのファイルをプレゼンテーションにまとめる。
(3)ディベート:肯定、否定の設定など感情的なことを排して。詭弁、前件否定、未知論証などの説明をひとおり行う。賛成側、否定側は、ディベートの当日じゃんけんで決める。だから、準備は両方用意しなければならない。
ブレインストーミング、5人8グループでおこなわせる。話し合いの段取りを学習させる。5人のメンバーが司会のリードのもとで議論を進める。ルールとして必ずひとり一回は語ることなど、出た意見はカードに書く、関連付ける、ストーリーを作る、という流れ。
(4)3DCG:情報C、10時間くらい。いつも左手を用意しろ。親指人差し指中指でXYZ軸。カメラの位置はz軸上マイナス方向、対象ははじめは原点。視点を変えてみることが出来る。どう見えるかという実習。トランスレイトとローテイト、生徒がウェブからもらってきたのを作品に使っている場合があり、それを確認したら減点するのだが、すべてを確認できないのが泣き所。
(5)表計算:
RAND関数を使った籤
でたらめなデータベースを整列するプログラム
データベースから個票を作るなどのプログラム
(6)SQUEAK:情報Cで実践している。情報部会の研究会で教わったことがきっかけ。
(7)座学:大学入試で「情報」を取り入れている大学の試験問題,web上で公開されているものなど利用。前後期の試験を8割でおこなっている。

大学教員:学芸代付属世田谷中学校の総合的な学習の時間、音とドラマという取り組みで、SoundEngine Freeソフトを使った。高校生ではMIDIが可能なのか。
答え:楽譜、小中の音楽の授業では読譜の学習がないので吹奏楽部など以外の生徒は楽譜が読めない。ので、ソフト上で音を置いていくなどのあつかい方。
質問:キーボードを使えば音を置けるが、
こたえ:キーボードを買うお金がない。
質問:お金がかからない携帯電話の動画参考になった。NHKが著作権フリーにした動画を公開しているところもある。それを活用することが可能である。
大学教員:授業時間数はどれくらいですか?(コブレー?)、CG検定は?
答え:10~12時間。WEB上コブレーファースト。CG検定はしていない。
大学教員:AO入試でも同じようなことがあるが、発表させたときに怪しいところで「ここは?」と質問すると、パクッテきた生徒は返事が出来なくなるのですぐにわかる。

3.『図書館で本探し』武相高校 宮越章子先生
○情報科のなやみ
情報処理実習室の使用に制約があるので座学の必要があるが、教室以外のところで活動を伴う授業も行いたい。情報に関連していてコンピュータ以外の授業を模索している。
○図書館のなやみ
蔵書2万冊、新聞過去1年は保存、雑誌多数配架、月に1回の映画上映実施、漫画の配架など充実させているが、「生徒が図書館を利用しない」という悩み。

図書館と情報科の悩みから→「図書館で本探し」という授業を計画した。
目的:図書館での本の捜し方、書誌情報の見方を学習し、情報検索ができるように、さらに図書館を利用するように。
(1)日本十進分類法の学習
「楽しいサッカー教室」スポーツは日本十進分類法ではわかりにくいところにある。700番代、芸術に分類されている。
(我が校でも、「請求記号」の見方でゲームやった。)
(2)書誌データの見方、奥付のところの説明、出版年と刷年の違いなど。
生徒のワークシート:全員分違う書名となっている。
第1課題は書名によってさがす
第2課題は「何々」という内容の本を探すと言うことになっている。なので、生徒によって分類が変わる(「ひきこもり」という社会問題を探すのか、「引きこもり」について書いた小説を探すのかなど。)

「エスペラント」「レッドデータ」などの内容になると生徒はわからないことが多い。必ずしも成績の良い生徒が早く見つけられるわけではない。
 先生にしつこく質問する生徒。
 友達を上手に使う生徒。
 偶然見つけて大喜びする生徒。

修学旅行の事前学習などにも活用。(情報の「総合実習」)持ち時間5分で発表する。生徒同士で相互評価,校内発表。

(3)修学旅行の事前学習ー再び図書館にて
ひとり1冊ずつ本を探す。本の中にテーマと番号が挟み込まれている。
3つのテーマの中から自分が発表したい者を選んで本を使って調べる。
発表順は番号で決まる。
本で調べたこと+インターネットで調べたことをまとめる。本では、書誌情報の明記。インターネットならどこからか。
情報を得るのはインターネットだけではない。図書館をもっと利用しよう。分類方法がわかると、情報はどのように整理すればよいのか、さがしやすいか。
著作権の扱い・・・引用のルール。
質問:本校でも図書館利用が課題。ワークシートをどのくらいの率で完成したか。
成績評価にくわえているか
答え:8割くらいが出来ている。評価:よほどサボっていなければOK。まったくやっていなければ減点。

4.『表現と内容の理解』海洋科学高等学校
 はじめに参加者を2群に分け、一方のグループに4枚カード問題を実施。16名中8名正解(50%)
もう一方のグループにはビール問題の演技をしてもらって解答。16名中15名正解。ほぼ100%。
このあと授業実践の報告。

科目  :2年生の「課題研究」(1単位)
単元  :表現と内容の理解(「Wason の4枚カード問題」を題材に)
時間数 :3時間
受講人数:6講座展開で、1講座20~27名

【概要】
この科目は、3年生の「課題研究(3単位)」の準備として2年生全員に対して行っているもので、週1時間、一般教室(講座が同じ曜日・時間に重なるので)という制約の中で次のような「研究のための準備」を積み重ねてきた。
1時間でできるミニ実験(味の変調、浮体の安定、力の釣り合い等々)、図書の探し方、新聞学習、考察の書き方等々。その一環として「Wasonの4枚カード問題」を実施した。

【目的】
同じ論理構造をしていても、表現によって内容の理解のしやすさが異なることを体験的に理解する。「論理的に考える」とはどういうことか?

【授業計画】
(1) 単元設定:「表現と内容の理解」、3時間(1時間ずつ3回)でおこなう。
1回目 飲酒問題
2回目 4枚カード問題
3回目 類似問題の提案とまとめ

(2)飲酒問題(1回目)
パーティで缶コーラと缶ビールを出している。成人は名札に赤いテープを貼ってある。
しかし、会場では名札が見えにくかったり、飲み物の缶が見えにくかったりする。
未成年が飲酒していないか、どの人を調べればよいか。
① ビール、年齢不詳  ②飲料不明、成人 ③ 飲料不明、未成年 ④コーラ、年齢不詳

この問題を個人で考えさせた。
45名の生徒に実施して42名が正解した(正答率93.3%)。

(3)4枚カード問題(2回目)
ロングホームで次のような課題を出した。4枚セットのカードを作る。片面にアルファベット、裏面に数字を書く。大文字を書いたカードの裏は偶数にする。作ったカードがルールどおりか調べるには、どのカードを確かめればよいか。

この問題をグループで討議させた。自分の意見をワークシートに書く。グループで討議する。意見が一致したらグループの意見とするが、意見が一致しなければそのままにする。
41名の生徒に実施して19名が正解した(正答率46.3%)。心理学実験として厳密にこの問題を実施した場合には、大学院生の場合でも4~5%の正答率といわれている。
今回の場合は、①ビール問題を先に実施したこと、②同じ生徒に対してグループで討議させたことなど、ビール問題と実施方法が異なるので比較することは無意味である。
今回は、あくまでも「同じ論理であっても表現が異なると内容の理解が異なること」「論理的に考えるとはどういうことか」などを体験的に学ぶことを目的としている。

(4)まとめの授業(3回目)
「ビール問題」と「4枚カード問題」をベン図で解説し、同様の問題を生徒に提案させる。
生徒が提案した問題
提案1
「消しゴム」と表示するなら、字を消せないといけない。次のどれを確かめればよいか。提案2
食品実習工場に入るにはゴム長をはかないといけない。どの人を見張らないといけないか。

(5)生徒の感想
解くことはできるが作ることはできなかった。
ビール問題より4枚カードのほうが難しい感じがしたけど、実際は同じような問題だったので、多分表現を変えるだけで違ってくるのかなぁと思った。
言葉の言い方で感じ方が変わるのに驚いた。
何か一つを基準にすると考えやすいと思った。
なんとなくはわかるけど理屈がまだつかめない。←この感想が正直。そして課題だ。

(6)おわりに
① 個人解答の「ビール」はほぼ直感で正解した。「4枚カード」はグループでかなりの議論をしたが、グループ内に正解者がいても意見が一致しない場合もあった。しかし、心理学実験として行った場合よりも正解率は高かった。
②「たとえ話」の危うさを実感した。授業中に行う「たとえ話」を、生徒は学習の主題と結び付けて考えているのだろうか。学習は本当に「転移」するのか?
③「問題解決の能力」「思考力・判断力」といわれるが・・・

質問:第1前提を疑うと問題が成立しなくなる。
答え:そのようなことの内容に説明したが、生徒の中には説明をよく聞いていない者もあり、結果としては問題がわからない生徒もいた。次回以降の改善点としては、この問題の構造を本当に理解すること、表現の違いで理解に差が出ることがわかること。
大学教員:「たとえ話」が実は通じてないのではないかという話、そこが重要。授業で取り上げる「たとえ話」は生徒の理解に配慮して使う必要がある。

昼休み:ポスターセッション 横浜清陵高校 五十嵐誠先生

5.『話し合いの授業の進め方のコツ(メディアリテラシーを題材に)
(1)4名程度のグループを作る。そのとき、机をしっかり並ばせる、授業はきちっとさせるそのところが大切。
どのニュースを報道する?10本のニュースの見出しからどのニュースを報道するか、3本を選ぶ。まず個人で選ぶ(制限時間1分)。
次にグループの司会、ディレクター、書記を決める(制限時間2分)。
グループで討議し、ニュースを3本選ぶ。話し合いがつかない場合にはディレクターの判断とする。発表はディレクターが行う。

(2)発表
机をつけたままの発表では集中しないので机を元に戻す。
発表は次の要領で
○○班です。よろしくお願いします
拍手(必ず)
私たちの班では1番目では○○
2番目は○○
3番目は○○
理由

大学教員:大変楽しい発表。最後の振り返りではどのようにさせるのか?
答え:ちゃんと発表できたか、自分の考えを述べることが出来たか?など。個別にさせる。
大学教員:ジョンソンアンドジョンソンの「協働学習の技法」という本を参考にしたのか?神戸大学在学中にその講義を受けた。
大学教員:班で発表したときに同じ傾向になるのか?
答え:この題材だとそろう班もある。
大学教員:たまたま二本の事件ばかり重要にする班ばかりであったとき、それでよしとなるのか?
答え:そうではなく、放送局、新聞社によって扱いが異なることの話。
大学教員:机の並べ方、戻し方、そうした授業の設定の仕方など勉強になった。教職課程の学生に対して。
大学教員:湘南版のニュースなのか、全国なのか,あるいはアメリカやイギリスの地方版なのかという発想はあったのか?
答え:湘南版というのはあったが、アメリカと言うのはなかった。
質問:日ごろの授業で、授業の前に今日の目標を伝えるようにしている。そういうことは大切と思った。シラバスではどの編ですか?情報Aですか?
答え:情報の信憑性です。

6.『プレゼンテーションソフト等を用いた生徒による『学校紹介』の授業実践の報告
横浜国際高校情報科 松田望先生
(1)実践報告
「情報と表現」の授業で。これは専門教科「情報」で、必履修科目。情報Aとさほど変わらないと考えている。
45分を週に2回。
「私のお勧めスポット」というプレゼンテーションを作る課題。写真、ランドマーク、富士山などを例示として紹介する。
プレゼンテーションソフトを用いた生徒による学校紹介
対応する単元:プレゼンテーションの基礎
生徒による学校紹介の狙い・・・・情報の統合、何を伝えたいか、相手を意識、人前で話す。
近いうちに学校説明会があるのでその席で中学生に説明すると言うのが目標だと伝える。目に見えるものをカメラで撮影しコンピュータに取り込み、加工し、伝える。
生徒による学校紹介の指導計画
テーマ設定、画像の取り込み、スライド作成、個人作品製作、リハーサル、グループ外発表、発表・相互評価、自己評価

デジカメを1グループに1台貸して授業中に実施、他の先生には事前了承を得ておく。何枚撮っても良いが、なかには4-5枚しか撮影しない生徒もいる。後になると困るとはあえて言わない。いずれ生徒が気づくので。
発表は2分(2分以内には発表を終わらせない。早く終わりそうになったらそのまましゃべらせる。時間を越えそうなのはタイムキーパーがしっかり。)
始まりと終わりは拍手。ハイタッチもあり。学生の頃、それが記憶にある。聞く姿勢が大切、発表者を助ける。

(2)ワークショップ風に・・・
あなたの働いている職場に興味を持つ、就職活動中の学生に職場のお勧めを1分で紹介してください。
今から5人程度でグループを作り、発表順を決めてください。
グループ意識の重視
グループ発表の導入
提案型プレゼンテーションの実践
来年度の遠足は個々がお勧め→プレゼンしたところへ遠足で行った生徒もいる。
生徒による学校紹介
授業時間数が増えたので他の単元を圧迫したかもしれない。
情報モラル 肖像権や知的財産に対する配慮が必要だったか、本人の了解のない撮影など(面白半分など)について注意が必要。
外への発信 学校のWEBに掲載することも考えたい。
個人とグループ グループに重点を置いた。授業の雰囲気が変わる。良いバランスをとりたい。

本校情報科としての課題。国際情報科、「国際」という点を。
専門情報の意義、1年次の「情報と表現」のみで終わる生徒もいる。
「社会と情報」などの方向に移行していく必要があるのか。
情報のキャリアガイダンス。
情報の選択をしなくなる生徒がいる。その傾向に対する対策。
他教科とのかかわり、TT、ソフトの使い方などのことに終わらず、英語と情報などのようなコラボを考えたい。
情報機器:コンピュータ室4室、カメラなどの機器充実、メンテナンス必要。
情報専任が2名。
情報機器以外の情報教育、肖像権などのモラル教育、セキュリティ教育などの必要性。

1年やってみてとてもよかった。1年目から2年目へのステップを感じることが出来た。
質問:本校でもプレゼンを「総合実習」という単元で10時間やっている。貴校は8時間で実施か?それとも増やすのか?
答え:今回は若干多かったように思う。少ない時間でも、時間以外での調べもあるので。一つ一つを小さく実施して圧縮。
大学教員:写真が少ない生徒,その後撮影する機会があるのか?
答え:この単元に関してはない。勝手に撮ってるのはあると思う。
大学教員:自分が研究授業に参加した高校でもやっていた。先生を出演させたりしている。その交渉も含まれるかもしれない。外に見せると言うことをはじめに行っておくと良いかもしれない。
質問:自分の場合はまず絵コンテを作らせる。それによってストーリーを考えさせる。その手順が大事。
補足:事業所見学を報告させている。そのときにやはり絵コンテを作らせている。いきなりパワポを作ると、はじめのところのどうでも良いところで時間ばかりかけてしまう。
質問:自分の場合にはストーリーシートを書かせている。それが必要かな。
答え:自分もスライドの下書きは作らせているが、それに時間をかけていなかった。
大学教員:情報という科目以外とのコラボレーション、十分可能。海外の大学とインターネットを通じての交流。国語、ワープロ使って編集のこと。情報だからといって情報の先生だけと限らず、他教科とのコラボは大切と思う。
質問:人数バランスが会わないとき他のグループの見学と言うのは良いと思った。情報の授業では「前を向きなさい、手はお膝」が大切。
大学生:グループわけでテーマ設定、中学生に高校紹介。その他の設定はありますか?作成は一人一人ですか?
答え:テーマは生徒が考える。大前提として、伝える相手は中学生ということ。グループで取材するが作るのは一人一人でやる。同じ写真でも使い方が変わったりする。

7.『本校の情報科に関して』横浜緑園総合高等学校 渡辺一也先生
皆さんは授業の実践報告だが、私の場合には本校の情報科について発表します。
情報A、パソコン基礎、Web入門を2名の教員で担当
パソコン基礎:ワープロソフト、表計算ソフト活用、文書データ整理など。ワープロ検定を実施して資格取得。
Web入門:Web作成。
「産業社会と人間」の中でプレゼンが必要ということで、(自己課題)でプレゼン。『仕事の学び場』のプレゼンもやる。
自己課題のプレゼン実演(ビデオ)
例示1;「鶴の折り方」のプレゼン。
鶴を折りながらプレゼンテーションした。それを見えるようにするべきだった。
90分授業を(説明、制作)3回,発表2回合計5回分使った。
例示2;『仕事の学び場』自分が経験したことを発表。産業社会と人間でおこなったことを、パソコンを使える授業が情報しかないので情報の科目中にまとめさせる。

定期試験に出す内容などのまとめ。
Web制作をおこなううえでの画像処理『ぎんぷ』というソフトウェアを使った画像処理。画像合成とHTMLのTAG学習。動画についても学習した。

昨年度の反省点:
1 情報Aの担当教員1名、パソコン基礎、Web入門の担当教員1名。科目間情報共有がすくなかた。
2.授業内容がプレゼンにかかわる部分が多くなった。時間割変更がないため、クラス間で最大1か月分(45分×8回)分の授業時間差が生じた。

21年度の情報科
情報A
プレゼン学習、2進数情報のディジタル化、ハードウェアの仕組みなどコンピュータを使わない授業に関する学習意欲の差

情報B
2進数、アルゴリズム、VBAなど。
プログラミングなど内容が数学的な部分が多くなるためPC操作に傾き,学習意欲の差が生じている。

情報C
新聞記事を毎週配布、記事について考えてきなさいと言う課題。

本校および情報科のこれから
座学でおこなう内容のひきつけ方の模索
科目選択における生徒への十分な説明
実習内容の精選
教員負荷の軽減(対教員、校内ネットワークの整備など)

大学教員:座学でおこなう内容、アンプラグドコンピューティング、本を参考にするのも良いが、大切なのはその理念を借りて自分で構築すること。
大学生:生徒が静かに聞いていたがそれは指導した結果か?
答え:はじめるときは拍手、終わるときも拍手、人の発表は黙って聴こうという指導はしている。感想などを書くシートを配布しているので、それを書き込むときには静かになる。
大学教員:生徒のスキルの差は?
答え:作業中は出来るが考えなければならない場面では難しくなる。
大学教員:プレゼンの目的によって作り方説明の仕方が変わる。生徒への説明は?商品の紹介などでは写真・画像が多い、字は少ない。研究発表の時には字が多くなるなど、目的によってプレゼンの作り方が変わる。
答え:生徒には説明する。聞き手のことを考えて作るなど。
質問:発表のときの演出、実物も見せるなど。
質問:実技の程度に差があるときには?わが校は一人で授業をやっているが。TTを立てられないので、はじめ何回かの授業で生徒のスキルをみて、よくやれる生徒の間に遅れがちな生徒を入れて、前のほうに固める。
大学教員:静岡の高校で情報Aを週に1回やっている。Windows"me"を使っている。時々フリーズする。座学系が多くなる。子供たちは笑いとオチがあると授業に乗ってくる。
質問:情報Bはインナー、情報Cは外向きというとらえかたでやっている。スキルの低い生徒のコンピュータをとってやってしまう生徒がある。スキルを求めているのではなく、アイデアがほしいわけなのに。

8.『情報教育の実践と提案』金沢総合高等学校 小笹雄二先生
情報Aだけで完結させようと考えてはいけない。いろんな科目、外との連携の中で情報教育を進めていくべきだろう。
配布資料は、生徒のコピーの一部。座学もおこなっている。
金沢総合の全体を情報Aが担っている。プレゼン単元は、パワポの使い方を2~3回だけ。あとはその他の教科・科目で応用的にプレゼン能力がついてゆく。
産業社会と人間、現代社会(地球温暖化をやっている、ニュースにもなった。なら、「地球温暖化」をテーマとしたプレゼンを作ろう・・・生徒のほうでは「現代社会」でやってる)と言うことになる。
出来上がったら社会の先生に渡す。社会科の授業資料となる。
情報Aは、スキル、そこから上は各教科・科目で。
インターネットでの検索、学校ではとても遅い。それよりも図書室で調べさせるほうがずっと良いということになる。
図書室で調べたことをプレゼンにする。
情報Aでレポートをまとめさせることはあまりやっていない。しかし、他の科目でレポートを作ってゆくときに、情報Aが活用される。
文書処理、データ処理 コミュニケーション Web作成 プログラミング マルチメディアなどの流れ。

情報A:
コンピュータは使えたほうが良い。コンピュータを忌避することはない。しかし、情報の教科書もしっかり使う。情報処理教室で座学もおこなっている。
机の天板の下にキーボードを入れられるようになっている。生徒モニターなどを活用して説明する。

言語活動の充実:コンピュータ室でも出来る。
世の中で困らない技術まではやっておく。そこから先は各教科・科目でやる。ソフトウェアの使い方ばかりではつまらないから、生徒を5班くらいに分ける。データをとって来させる。たとえばR16の交通量、車の種類ごとと時間帯など。クラスによって時間帯が異なるので、かなりの時間帯のデータが集まる。それを収集してまとめる。
Webページ:はじめはHTMLでやって,作った,出来た、良かった式をやっていたが、最近は二人組になってインタビューし会って、インタビューしたことを材料に、相手を紹介するWebページなどを作らせている。
大学生:情報Aはスキルと言う話だったが、県立高校にボランティアで出向いている。ワープロや表計算の使い方をやっているが、大学で教わったように「相手にとってよりわかりやすいように」と言うことのほうが大切と思うが。
答え:情報Aだけで完結ではないから、他の教科・科目とのコラボが大切。教育課程全体で情報教育をおこなっていくという視点。
TTは31番目の生徒と考えることでTTの問題は解決した。
情報Aの授業中に、空き時間の生徒が入ってきて調べものしてもまったくかまわないルールになっている。進学した生徒が「金沢総合の情報Aで鍛えられたおかげで、大学でのレポート作成、ゼミの発表など苦労は何もない」という感想。
大学教員:情報のあるべき姿に近いと思う。その他の教科・科目と連携できているのか上手くできていればどのような点で。
答え:家庭科の先生が良く情報教室を使う。縫い方、調理実習の手順などを情報教室でおこなっている。生徒は良くわかるようで、授業にスムースに入っている様子である。数学のグラフをコンピュータの上で書いて関数を説明するなどのことに活用している。
大学教員:情報Aの続き、関連と言うことを他の先生は認識しているのか?そういう広がりはどこが原因か?
答え:うちは情報教室はオープン、誰でも使える、出入り自由。
補足:そういう関係が校内で定着しているので教員も生徒も、情報教室を使いこなしている。
大学教員:生徒から他に要望があったのか?もっと詳しく知りたいなど。
答え:できる子にとってにはもっと詳しく、出来ない子にとってはもう少しゆっくり。全体を通すと、中間層近傍をターゲットにしているが、課題は10のうち5くらいが出来ればよしとしている。
大学教員:外へ出ることについて校内で障壁はないか?
答え:格段情報の科目だけが外に出しているわけではない。福祉などでも外へ出ていてそのことは本校でも当たり前のことになっている。


講評
横浜国立大学 額田順二先生
午後の発表だけ見たが、その中で「原点」がキーワードになると思う。「時を守り、場を清め、礼を尽くす」ということばをどこかで教わったことがあるが、まさにこれが教育の原点であると思う。その意味から、諏訪間先生の授業における生徒の律し方はその原点であると思った。机の並べ方、議論してよい場合と先生の話を聞く場合の設定の仕方、議論する時間の守り方、発表の仕方など、原点に則った授業の進め方をされている。
松田先生と渡辺先生のご発表、座学とコンピュータの実習のどちらに重点を置くか、情報を教えるのか、情報機器の操作を教えるのかなど、何を教えたいのか模索しながら授業を構築してこられた。小笹先生のご発表、情報で何を教えるかについて「安上がりに済ませない」という信念に貫かれていた。これら4本の発表に触れて、教育の原点ということを考えさせられた。
皆さんに宿題をひとつ。「教育の原点は何ですか?」と問えば、教育基本法の中からすぐに答えを導き出すことができると思う。それは日本の中でのこと。世界のどこでも普遍的に通ずる教育の原点とは何か考えてください。私の場合は漢字5文字、ひらがな1文字で表します。

湘南工科大学 鍋島尚子先生
それぞれのご発表のときに質問したことを講評とさせていただきます。今日はありがとうございました。

専修大学 望月俊男先生
子供の思考、態度をどのようにして21世紀向きにしてゆくかだと思う。そこが難しいところですが。子供が学習活動に参加して「考える」という活動を、どのように日常につなげるのかということだと思う。

文教大学 佐久間拓也先生
学術研究の発表では、「授業実践、つまりどういう授業をしているのかということが見えない」ということが今日の実践報告を見てよくわかった。研究報告だけでなく、授業の実践報告も大切である。特に「情報」の授業は毎年変わる。先生方の自分の反省から、あるいは他の教員の例を見て、昨年の授業と今年の授業はちがう。実践報告の中から新たな授業も生まれると思う。

文教大学 新井立夫先生
週に1度静岡県の高校で常勤講師として情報の授業を行っている。グループワークのときと先生の説明のときで机の配置を変えるという、ちょっとした工夫で授業の空気が変わるということを今日は体験してなるほどと思った。他者への配慮ということだと思う。

文教大学 川合康央先生
情報デザインに関わっている。情報学部の学生がこのごろ変わってきた。情報学部はコンピュータを教えるところではないということを、学生がわかるようになってきた。プロジェクト型学習、グループワーク、相互評価などを取り入れて、情報らしい授業実践が多かった。

明治大学情報コミュニケーション学部 古屋野素材先生
教科「情報」では情報という縦軸と、他教科との連携という横軸を大切にしたい。多人数の授業では、携帯電話を活用して質問に対する回答(解答)の即時集計などを行っている。高校の場合には制約もあるかもしれないがそうしたテクノロジーの活用もこれからは必要ではないか。電子黒板(Smart Whiteboard というらしいが)の活用など。

2010-01-04

ISCAR+DEE(認知科学会)大会

 筑波大学(茗荷谷)で開催されたISCAR+DEE(認知科学会)大会に行った。
 午前のセッション1「教師の学びと子供の学び」
  宮崎清孝先生(早稲田大学)
  有元典文先生(横浜国立大学)
  高屋景一先生(國學院大學)
   の発表と討論

 午後のセッション3「新しいつながりとしてのサブカルチャー」
  岡部大介先生(東京都市大学)
  石田喜美先生(財団法人東京都歴史文化財団)
  土橋臣吾先生(法政大学)
  柳町智治先生(北海道大学)
   の発表と討論

 講演
  James V.Wertsch(Washington Univ. in St.Louis)先生の「Mdeiation as a Core Construct in Sociocultural Analysis」を聴いた。これは英語での口頭発表だったので(日本語で聴いても同じだろうが)私にはとても難しかった。しかし,最近気になっているビゴツキーとミードの話題だったので,直接講演を聴けてよかった。

以下は,セッション1,3とワーチ先生の講演聞き取りメモ(ほとんどベタ打ちのままながら)
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リゾーム的社会における新しい生と学習のネットワークの可視化とデザイン
宮崎清孝先生(早稲田大学)
茂呂先生の問題提起より

野火的な活動(wildfire activity)

異なる場所、コミュニティ間の移動
活動理論における「移動論」
状況的学習論やテクノサイエンス研究に由来する境界横断論

たとえば
かつてなかったような新しい他者との出会い方とつながり方が必要となる。その出会いとつながりは、さまざまなローカルな場所で、共同的な新しい学習を生み出しつつある。 教育実践の現実の中でリゾーム的ネットワークは現存する、ように見える。

「ネットワークの構築とネットワーク間移動としての教育実践者の成長と子供への波及」 教師や保育者などの教育実践者の成長を、社会的なネットワーク間の移動による実践者の自己の変容として捉える。

0900~1030 セッション1 教師の学びと子供の学び
第1演者
高屋景一先生(國學院大學):Egan(カナダ、Simon Fraser Univ.きわめてユニークなVygotsky学派)とそのimaginative education research groupについて)
EGANのもとでPh.Dをとった人。Imaginative Educationのグループはとても面白い。

『心理学は教育に役立つか』の著者(キエラ・イーガン)
アメリカ、カナダなどでは、学者として自分の研究と教育活動をするためにはお金が必要であり、そのお金は自分で稼がなければならない。そのため、彼は専門家でない人にわかる形で本を書く必要があった。彼はアイルランド出身なのだが、アイルランドにはストーリーテラーの伝統がある、一般の人には読みやすい、理解しやすい。しかし、専門家からは物足りないと思われている。

An Imaginative Approach to Teaching を翻訳したときに、デューイなどとどう違うのかと質問を受けた。
イーガンは今までの教育理論とは違う。
1.アメリカの進歩主義の教育と違うと主張したかった。
2.ビゴツキーの考え方を取り入れている。
IERG:たくさんの人が参加している。
大学院生その他の研究者を養わなければならない。私も走して研究させてもらった。お金を集めてくるうえでは、研究が実際に役に立つことを証明しなければならない。

高屋さん:imagination概念の研究をしている過程でイーガンに出会った。
想像力について研究している人は多数いる。僕がイーガンに注目したのは、想像力というと芸術関係に行く人が多い、伝統的な教授法などから離れようとする人が多い、美術だなどという方向になり勝ち。しかし、イーガンは伝統的な教授法・日々の授業を知的に、意義あるものにしようという方向なので、注目し興味を持った。

マーク・フェテスが加わった。カナダ:ファーストネイションズ(先住民族)の学校への援助を研究している人。カナダ、バンクーバー。彼らをどうしたら援助できるか。などを研究している人。

イーガンの理論とは:
カリキュラムにあるすべての知識は人間的な源。
文化的反復説:個体発生は・・・を繰り返す。
子供、はじめにはなし言葉を覚える、その次に書き言葉を覚える、そして抽象的な言葉を覚える。

4~5才の子供は、シンデレラの話を聞いたときに、カボチャが馬車になる過程の科学性を問わない。しかしもう少し年齢が進むと、ウルトラマンの変身に科学的な根拠を求める。話し言葉→書き言葉→抽象的な理論。
知的な道具・・・それを授業で使わない手はないだろう。
コミュニティツール、ラーニングツール:知識を教え込む授業は面白くない。教える家庭で使う道具とは
物語、
柔軟な比喩
対概念
生き生きとしたイメージ

『想像力を触発する授業』北王子書房、IERG.netで紹介している。
『子供の学び教師の学び』宮崎清孝
イーガン:アメリカではビゴツキーとデューイを串刺しにするが、イーガンは対立的に論じている。

質問:認知的道具と言うのは『苦いものを飲ませるオブラートではないのか?』
答え:こういうものを使って子供たちが進んで学ぶようにするものであって、オブラートではない。
答え補足:苦いものの中にも面白いものがあるということを発見するための道具であると考えている。


第2演者
有元典文先生:教育実習に3~4年付き添っているのでその話。
大学生のときにアンチオイディプスの本を持っていたが。
リゾーム:地下茎の中でも横に伸びるのをリゾームというらしい。
教育実習ではいろんなことが起きる。制御できない、予測つかないこと。リゾーム的といえばリゾーム的。むしろ何がおきているかわからない雑多なことの中に見通しをつけてやることが教師教育の中では重要と考えている。

教員養成、看護教育などさまざまの職業人養成において、現場の教育が重要とされている。
なぜ現場の体験が必要か。
座学ではだめなのか?
模擬ではだめなのか?

現場は学習機会の沃野か?
横国では、学部の1年から現場に出している。4年目になる。それに引率で付き添ってデータも取っている。大学1年生、18歳で小学校に出向く(つい数年前まで小学生だった彼らが)。リアリティショックもすごい。(コピーのとり方もわからない状況から)。「楽しかった」だけではだめで、何らかの成果、学びが必要。

体験の有用化:有用な体験を引き出す。体験を体験で終わらせないための方策が必要。

学習の機会は偶発的である。
1時間目の体育の授業、担任の先生に「生徒を並ばせておいて」と頼まれたが、「ただ30人の生徒を並ばせるだけのことが私には出来なかった」という体験。

教育実習:単なるナイーブな体験から、学習成長を可視的にするテクノロジー。
現場の発達ゾーン化:体験を学習・成長を可視的にすること。
省察のテクノロジー:
スタンダード(教職のための行動目標と評価基準)
スーパバイザによる授業解説(退職校長など)
振り返りミーティング 
ビデオでの振り返り
ネット上の掲示板等々

これらによって実習を資源化する。
しかし、場合によっては危険もあるし、責任がある。

責任の例:
・屋上はとても暑く、プールサイドで見学している子供の熱中症などにも気をつけないといけないと思った。
・バッターボックスの近くには座らせないなど。

現場の現実味:この現場の現実性が、体験による学びの特徴である。
教員のスキャフォールディング(足場作り、よくわかっている人が学習主体の行為を方向づけること)が必要。

熟練のアイデンティティの価値化。教師がやっているように自分は出来なかった、声の出し方、声の通り方、机間「巡視」(変な用語だが)での生徒の接し方・・・

教育実習という体験
やりっぱなしでは体験が消え去ってゆく。体験をなぞって学びにつなげる必要がある。
責任について:たとえば大人に育てるのに大人学校に入学させるのはナンセンス。一方で、運転学習者を交通社会に放り込むのは社会と学習者双方にとって無責任。

短い実習期間に、大学の講義として効果をあげるなら、学んだということをマークアップしなければならない。それが教育実習における我々の仕事であると思っている。授業研究の道具を携えさせる。

リアリティショックの緩衝材として
現場の負担感のガス抜きとして
現場を学習の資源に
偶発を拾い上げて学習に:構造化
現場の混沌をどう見させるか、どう見るか。

質問:教育実習は、現場のコミュニティと学生のコミュニティが出会う場なのか?越境なのか?どんな風に思っているのか。
答え:現場が一番大切と思っている。越境でなくて移民のように思っている。小学校に大学生が出向いて、大学生が現場に提案などおこがましくて出来ない。
質問:教育実習は普通学生だけが行くが、教員がついていくと言うのはどういうことなのか?僕は教員が教育実習についていくのは、現場との連携、リンクする機会になっていると思う。普通は最初と最後だけなのだが、ずっといるのですか?他の学生を連れて見に行くのですか?僕は学校というのはひどい場所だと思っているのだが、どう思っていますか?
答え:週に1度の実習だが、ずっと一緒にいます。朝の打ち合わせから終わりまで。校長は、現場に緊張感をもたらせるのでよいと言っている。僕は、教師が大学と触れ合う良い機会と思っている。それは道半ばだが。
質問:ベテランの教員は神業に近いと思う。新人は子供が見えてないとベテランは思っている。新人はベテランに対して自分は子供が見えていないとへこむ要素がある。どの現場に軟着陸させていくか。
答え:そもそもこの実習は卒業必要以外の単位である。モチベーションの高い学生が参加している。自分のふがいなさにも気づいているが、他の学生に対する意見も持っている。軟着陸ではなく、現場になるべく長くいさせることが目的である。

第3演者
宮崎清孝先生:現職教師の学習(斎藤教授学の「研究会」)
イーガンの理論はパッケージ化したカリキュラムと相対する理論。
教師の学習:「会」というコミュニティ
民間教育運動、epistemological (ideational) network
文化の中のさまざまな見方・声(bakhtin的な)
「会」(group):官的制度と対立する制度
公式的・学校<内>的存在(官的研究会)と対立して学校内にある。
水道方式の算数教育等々の「会」がある。

それらの「会」は、新規参加への道が不確実
学校内(見戻った際)の対立
個々の授業についての困難:「学年全体で」にからむ諸問題
校長として:全体を見た場合に新しいことを持ち込まれることへの警戒感。

斎藤教授学:斎藤喜博(1911-1981)とその弟子たちによる実践知の集積

教授学研究の会:
休み期間での合宿研究会
月例研究会
機関誌(千葉・茨城でそれぞれ作成)
メールマガジン
メール

やっていること:模擬授業、実践の報告、

「会」で何をやっているのか?
何を学んでいるのか?教師の学びとは何か?
教師の学習の二種類せい
pedagogical learning 教え方についての学習
epistemological learning 
教材解釈
単なる知識の集積ではない
教材の探求:教材についての新しい発見
協同的な教材開発。教材について、声を出し合うことの支援。
他の声とつながる、多声的になる

質問:ほとんどの先生は、教えていることがなんの役に立つのかの説明をしない(できない)。
答え:役に立つことではなくて、教える内容の面白さを発見する、それを授業に取り入れる。そこが「会」の目的。

セッション3
新しいつながりとしてのサブカルチャー
このセッションの趣旨について 岡部大介先生(東京都市大学)
発表1 石田喜美先生(東京都歴史文化財団)
発表2 土橋臣吾先生(法政大学)
コメント:柳町智治先生(北海道大学)


岡部大介先生:セッション3の趣旨について
12月29日から30日、東京ビッグサイト、コミックマーケットが開催された。
同人誌、コスプレイヤーたちの集い。
80年代のオタクを取り囲む話題が変化してきている。
オタク的趣味が、社会的つながりの中で社会性を帯びる。
東 浩紀「動物化するポストモダン」(講談社現代新書)p41シミュラークル ←注1
シミュラークル、ボードリアールが提唱した概念。←注2
シミュラークルとは、複製可能なもの(ゲームのキャラなど)に息吹を与えるもの、消費対象となる。(オリジナルとコピーの区別がつかなくなったもの)。
こうしたしミュラークルを生み出す社会
かつてのお宅的な人々から、ライトオタクへ裾野が拡張
オタク文化がコミュニケーションの道具として活用されている。
今日のオタクは社会性を帯びている。
ソーシャルな空間に生きるオタク
OFF: コミケのような場
ON:mixi、ツイッターなど、pixivと言うのもある。

大学のスペースでポケモンバトルしませんかの張り紙して集う学生
秋葉のマクドナルド、初対面の人が集って,PSPで遊んでいる。遊ぶ予告は2ちゃんねるで。
オタク:ソーシャルメディアの中で、あるいはともに、それらによって作られるローカルの社会的関係においてコンテンツを消費する。
コンテンツをひとりで消費するのではなく、ソーシャルな空間を構築しながら消費している。
何がオタク的コンテンツとして面白いのかは、ローカルな社会的関係の中でしか生まれない。

さまざまな場所、コミュニティの間を移動しながら新しい・・・

このセッションでの発表ふたりから。コメントひとりから、そのあと質疑応答。


石田先生:高等学校で見られる「現代視覚文化研究会」
土橋先生:生活編集装置としてのケータイを利用した質的調査の可能性について

第1演者
石田喜美先生:境界的オブジェクトとしての「オタク」
A高校におけるオタク
オタクの従来の定義:アニメ漫画などの熱心なファン、二次元ロリでやや対人関係に難あり」
「オタク」の拡散、『オタク』はもはや『普通の人』の意味
誰でも『オタク』を自称・他称出来る。
現代におけるオタクとは
日常の中で個人やコミュニティ同士の関係性をる一定の意図に従って組織化するための道具。
学校サブカルチャーへの注目
学校サブカルチャーとしてのオタク的文化、「オタッキーグループ」などと呼ばれて存在した。
A高等学校のサブカルチャー 男子4割、女子6割
マジョリティは「ギャル系」男子がいても「ギャル系」
隠れオタクはいるがオープンにしていない。
調査方法:グループインタビュー
「現代視覚文化同好会」として生徒会から認可された。

A高校
「ギャル系」がマジョリティ    「かくれオタク」は不可視だった
「現代視覚文化同好会」設立によって、かくれオタクが可視的になった。

男子を中心とした「工芸部」は実はオタクだが、「ギャル系」からの批判をかわすために、オタク女子をそそのかして「げんしけん」を設立させる。そうしておいて、「工芸部」は「げんしけん」との関係を絶ち、ギャル系(マジョリティ)からの批判をかわす。

「げんしけん」を境界的オブジェクトとした。なぜ「げんしけん」がそうなったか。ほんとうは「現代視覚文化同好会」なのに、社会的に「オタク」集団とされている「げんしけん」を自ら名乗っていた。

一般社会の 「ギャル系」対「オタク」の関係が
A高校内の「ギャル系」「げんしけん」に持ち込まれている。
しかし、一般社会では「ギャル系」はマイノリティなのにA高校内においてはマジョリティになっているので、彼らの関係性は一般社会とは変容している。

個人→コミュニティへの複層的な参加


第2演者
土橋臣吾先生(法政大学)
KeitaiーGal
「ギャル」のケータイ的都市経験。
シャドウイング調査、ケータイのヘビーユーザをシャドウイングした。

「ギャル」のケータイ利用行動を追尾してきろくする。
Actant1 ギャル
Actant2 ケータイ
Actant3 都市空間
人ー物(human-object)
Gun-CITIZENに関する議論(B.ラトゥール)
銃が人を殺すのか、人が人を殺すのか?
銃が殺す「銃規制論者」、(唯物論者の答え)
人が殺す「全米ライフル協会」、(社会学者の答え)
銃ー市民(Gun-Citizen)が殺す(ラトウール)の答え
特定のエージェンシーは人でも物でもなく、人と物のネットワークの効果として生成する。

観察されたケイタイギャルのふるまい
頻繁かつ多様なケータイ利用・・・通話/メールのみで7時間に30回以上、その他にbbsや「リアル」のチェック、動画コンテンツの視聴など。通話用とメール用の端末を持つ。
あらゆることへの場当たり的対応・・・そもそも調査の予定自体が決まりにくい「けっこう場面な感じな上に終電までとかだと思うんですがぁ、それでもいいですかぁ?・・・」彼女たちの特異な用語。「場面で」・・・その場その場で決めること。何をするかはあらかじめきっていない。というよりも、基本的に「しゃべる、騒ぐ」がメインなコンテンツ。が、場所のレパートリーは厳密に決まっている。誰と遊ぶかもあらかじめ決まっていない。
都市のニッチ(ニッチ(英: niche、フランス語読み:ニーシュ)は、生物学では生態的地位を意味する。1つの種が利用する、あるまとまった範囲の環境要因のこと。wikiより)に「居場所」をつくる。・・・自分たちに「ふさわしい場所」はきまっている。たとえば、マック、Cafe AYA(歌舞伎町の激安喫茶店) など。安いからと言うだけではない。手近な選択肢から選ぶ。自宅化するCafe AYA。
都市には文化があるが、彼女らは新宿では新宿の渋谷では渋谷の文化を利用するということではない。

Keitai-GALのエージェンシー
いま・ここのCUT&MIX
ケータイのアーキテクチャ 場面で選択
都市のアーキテクチャ   場面で選択

ハイブリッドな社会空間を「場面」に最適化した形で創出

ケータイのアーキテクチャ的特徴 常に行為の選択肢=リソースとして身体に密着した状態にあること。
ケータイヘビーユーザギャル・・・都市をもそのように利用。

コメント:柳町智治先生(北海道大学)
新しい日本語教育の位置づけ
例1.競馬新聞での日本語の文字学習(インドネシアからの留学生)、競馬新聞は感じとカタカナしかない。中国語使用なので漢字は問題ない。ひらがな苦手、サブカルチャー的学習。
例2.EPAのプログラム:インドネシアからの看護士、介護福祉士。このプログラムは日本語学習がネックになって、崩壊しかかっている。日本人にとっても難しい国家試験を日本語で受験しなければならない。
メインストリーム的な教育、学習のデザインの限界を感じている。

これらとサブカルチャーとのかかわりはわからないが、メインストリーム的学習とのかかわりを考えたい。

サブカルチャーと言うのが良くわからない。「オタク」がサブカルチャーなのか?メインは何か?

おそらく量ではなく活動が人工物やアーキテクチャを媒介として組織化されていくその様相にあるのだろう。
コミュニティによる境界構成のダイナミズム
人,モノ(ケータイ)、あーきてくchとのかかわり。非常にフレキシブルな世界。
ユーザー、ヘビーユーザと言う概念。学校的な教育の文脈の「学習者」とは違う。

実際にどう使うかはユーザしだい。それが次のデザインに影響をあたえる。相互行為的。かかわるどのアクターも相互依存的、相互参照的な関係にあり、次第に変わっていく。そのことが事前に了解されている。
しかし、学校はそういう前提が乏しい。
学習者を「ユーザ」としてとらえおす必要があるのではないか。
スキル学習の面は切り離してもいいのではないか。言語そのものを学習しているのではなく、言語をツールとして使用することを学んでいる。

留学生:デジタルネイティブとして育っている。
電子辞書を持っている、オンライン辞書を使う。学習者が自分で気になった語彙を検索する。授業とはかかわりなしに。生まれたときからデジタルを使っている。
新聞や雑誌の記事=電子ファイルで課題として渡される。
読める読めない=自力で呼んだかどうかを問うことの意味が薄らいでいる。リソースをどのように使うか、リソースとのかかわり。
コーパス辞書、教師が何でも知っていると言うことの前提が崩れている。英辞朗、コーパス辞書なので用例がたくさん出ている。教師も知らなかったような表現がある。教師がすべてを知っていると言う前提が揺らいでいる。
フォーマルな、メインストリームの学習環境のデザインがどのようなものになるかが浮き彫りになってくる

質問:たとえば、博物館、アマチュア科学者と学者とのあり方が違う。学校では自由が認められていないが、アマチュア科学者はかなり自由な発想が可能。疑似科学者あるいは危ない人たち。宇宙を語る人たちが集まれば、すべての力は「圧力」と言ったりする。すると学者は反論するが、言い出した人を納得させることが出来ない。カルチャーとサブカルチャの関係に類似している。
答え:げんしけん、工芸部へのインタビューはやったのでしょうか。大掃除も年賀状も用意せずにコミケに集まったと言うことだったがそれは裏を取ったのか?
答え:私も2日目に行った.夏の場合は盆の墓参りに行ったのか?との挨拶言葉。裏は取りませんでした。
質問:自分は民俗学者でもある。言説レベルのことと実際レベルのことを区分けする必要がある。
答え:工芸部のインタビューもおこなったが、彼女ら「げんしけん」の側からのこととして発表した。

質問:セルトーノアプロプリエイションの超簡単な説明。
答え:腐女子文化についての議論で言えば、彼女らの消費の仕方。
少女漫画のきらきら瞳に嫌気してきたので少年漫画を読むようになる。しかし、少年漫画には彼女らの居場所がない。そこで2次創作を始める。
質問: オタク文化そのものが戦術であると言うことも出来ますね。
答え:既存の者から創出してゆく。
質問:『銀魂』の越すプレがわかる程度のオタクだが、去年国際ガンダム学会の準備をした。オタクたちの消費の仕方を医療安全に使えないか。「おこさせてはならないこと」をリアルに伝えることが出来るのではないのか。医療事故をリアリティを持って伝える方法としてオタクのソーシャルな空間を利用して医療安全に使えないか。
答え:リアルとリアリティの違いは?
質問:リアルは生、リアリティは・・・
マニュアル文化ではだめだ、シミュレーション教育が必要と言われ始めた。


午後
1315より

James V.Wertsch(Marshall S.Snow Professor in Arts and Sciences. Director,McDonnell International Scholars Academy. Washington University in St.Louis)
Mediation as a Core Construct in Sociocultural Analysis.

通訳:ソーヤー理恵子先生

Sociocultural Approach:ビゴツキーとルリアが使っていた用語ではない。
社会文化的なアプローチでは、研究者、プラクティショナー、実践者も文化的、歴史的、制度的文脈の中に状況付けられている。この場にいる皆さんも。
社会文化的アプローチをとっている一人の研究者について話します。
1970年半ば、モスクワにいた。冷戦時代。
ソビエトの心理学、言語に興味を持っていた。ピアジェやChomsky、ビゴツキ、ジョージハーバードミードに興味を持っていた。
やる気にはあふれていたが、ビゴツキらに出会うには誤解を持っていた。

ビゴツキーとミード、2人の理論家の対比を見たい。
人間の精神の社会的起源についての主張は共有、ヘーゲルなどについても共有していた。しかし、ビゴツキーがロシア社会でインパクトを持たれていたのとミードについてアメリカ社会が得たインパクトは異なる。
ロシアの心理学では、ビゴツキーの影響は多大だった。しかし、アメリカでのミードは社会心理学や社会学に対して影響は小さかった。
この二つの違いは、個人主義の国アメリカでは、ミードやビゴツキーは理解されにくい、受け入れられにくかった。

ビゴツキーとミード
ふたりとも1930年代に亡くなった。異なったインパクトを社会に与えた。
ビゴツキー1896-1934
思考と言語
社会歴史的アプローチ

ミード1863-1931
心、自我そして社会
アメリカのプラグマチズムの創出者

これはミードの文献からの引用、意識の社会的起源についてのもの。
社会的活動は意識の前段階だ。意識が社会的な前段階なのではない。

ビゴツキー
意識の中で社会的な次元
意識の個人的次元は派生的である。

同じような歴史的時代にビゴツキーとミードは似たようなことを述べているのに、ロシアとアメリカでは受け入れられ方、インパクトが異なっていた。

Atomism in philosophy and social theory.
哲学や社会理論で使われるアトミズムという考え方。
社会的議論は個人がはじめにあって、その後に社会がある。
社会的起源の議論。

社会的プロセス、個人的社会では理解するに難しい。
ビゴツキー
社会文化的なアプローチ
厳密な意味での理論ではない。還元主義的に何かを予想するのではない。
社会論では厳密な理論というのはない。ビゴツキーは非常にクリエイティブでユニークというよりも彼の時代のほかの理論家たちと多くを共有している。しかし、一方でほかにない貢献をしている。ミディエイション:媒介である。
ビゴツキーは3つのテーマを持っている。それについて話す。
1. コミットメント発達的方法発生的方法への関与
フロイド、ピアジェ、ワーナー、ケーラーなど19世紀の理論家たち
発生的発達的方法という考え方は、起源と発達的変容の探求を示す。
ビゴツキーのアイデアは、発達的方法は現在私たちが考える発達心理学以上を含んでいる。
具体的には、異なったさまざまな領域を見た。
phylogenesis(系統発生論)
Sociocultural history(社会文化的歴史)
Ontogenesis(個体発生論)
Microgenesis
私たちが何かをするときにはいつも状況に埋め込まれていて、人生を通して歴史に埋め込まれている。

高次精神機能の社会的機能
高次精神機能とは人間の精神機能のこと。
この発生の方法は社会的起源から発生する。
文化的発達の一般的発生法則は
はじめは人と人との精神間
つぎは個人内の精神内に表れる。
All higer mentar functions appear twice, on two planes, first on the "intermental"plane, between people, and then on the "intramental"plene, within the individuals......


Parallels with other thinkers(e,g,. Mead), but more radical cleim in Vygotsky
- Not just social origins, but "quasi-social nature"of mental functioning on intramental plane.
Border between social and oindivisual is "porous".

Some mental function appears on intermental and intramental plane.

First sene in which "mind exends beyond the skin"
Can be "socially distributed"
-Productive to examine how dyads, groups use diccourse to think, remember
Adult-child ( ) as gent in remembering.
Other-to self-regulation
-Different intermental functioning => different intramental outcomes.
He cannot remenber where my boots are.
What were you first do when you came back to home?
ここで、誰が彼の記憶を想起したのだろうか?子供でも、私でもなく、私と彼の対が彼の記憶を想起した。精神間の地平でおこなわれたといえる。(地平:plane)
将来的に、ニコラスはブーツをどこにおいたか思い出せるようになる。
What can I do when I come back to home.

Mediation of Mental Functioning.
Most important and unique contributions of Vygotsky in this realm.
Starter his career in philology,literary ///

"Mediater action"as unit of analysis
Active-agent-using-culrural-tool
Cultural tool does some of our thinking,remembering for us.
-"Remembering" Phone numbers
-Intelligence=Mastery of socioculturally valued tools.

45歳や50歳以上の人たちのほうが10以上の電話番号を覚えていられる。
若い人にそれが出来ないのはなぜか?若い人たちは、携帯の中に電話番等を覚えさせているので、自分で覚える習慣がないから。

電話を使えなければ中のデータを読み出すことが出来ない。
しかし、頭の中に電話番号の記憶が入っているのかというとそうでもない。使う人が文化的道具を使えなければならない。

Mediated action as unit of analysis.
Active-agent-using-cultural-tool.

Mediation of Mental Functioning.
Using a cultural tool behore

Based on Vygotsky's clear understanding of distinction between sign form("sign vehicle") and sign meaning.

In intermental functioning can use a sign form or vehicle without full understanding of meaning.

Not the case that we must understand a sign on the intramental plane before using it on intermental.

Mediation as key to understanding.


友人の例:彼は自動車が上手く動かせなくなってしまった。奥さんは車のことが良くわかる。その故障では、「キャブが悪いのでは?」と言えと奥さんが夫に言った。彼は工場に行って『キャブが悪いみたいだ』と言った。工場では車を見て、キャブを直した。サインフォームの意味を理解していないのにサインフォームを使うことの例である。私の同僚である。キャブが何かわからないが、キャブが悪いという表現は出来た。
インストラクションの基本的方法。意味の理解の前にサインを使う。授業しているときにしばしば学生も同じような状況になる。言うことによって理解に到達することも出来る。

これまでの話、ビゴツキーにとって媒介と言うことの意味の話だった。
文化的媒介によって理解が進む。
言語の媒介を通して精神内機能との理解を進めることが出来る。
言語のような文化的な道具を用いることによって、文化的相互作用が可能。
American habit of shought:
1970年代にモスクワに行ったときには強烈な個人主義を持ち込んだと思う。個人的な過程と社会的な過程ということの区別は難しかった。
現在でも英語のメモリーと言う意味は、特別なことがなければ個人内のこと。
コレクティブメモリ、カルチュラルメモリなどのように、メモリに何かをつけなければ特別な意味にならない。
アメリカ的な考え方の習慣をモスクワに持ち込んだのだが
終わるに当たって、記憶が分散するようにコミュニケーションも分散しうる。目の前で皆さんは見た。私がしゃべったのであるが、通訳もそれを分担した。

abduction 日本語では拉致と言うが、心理学では・・・
habit:習慣

デューイ:論理を装具として使ったことを私は評価している。なぜロシアのビゴツキーがアメリカで評価されるのかと言えば・・・

質問:
intermental to intermental
intramental to intramental
カーメカニックも部分的な理解しかしていない。のではないですか?

答え:インターと言っている場合には小さなグループ、小さなインタラクションについて述べている。
ビゴツキーはもう少し広い範囲の、社会的なことを考えている。

社会では意味は分散している。みなが同じ意味を共有しているわけではない。
夫の側で精神内機能が上手くいっていたのかわからないが、(キャブの例で)ビゴツキー、サインが意味から独立して存在していると言うところが重要な点である。

質問:インターサブジェクティビティのスライドをスキップしたのでそれについて説明してほしい。
答え:
Intersubjectivity
Rommetveit and :ノルウェイの社会心理学者(キャブレターの例の男性)
Vygosky
Bakhtin
Never attain total intesubjectivity, but "temparary,partially shared"
Can fundtion at very low lebels throufh sharing on little more than "sign vehicles"
-"Carburetur" example.
新生児は言語を持たないが、母親と目と目でコンタクトをとったりする。
これを社会的起源の理論で用いたりしている。
目と目のコンタクトの次には、発達していって母親が子供の見ているものを追っていって、見るものを共有する。

ロメットバイト氏、間主観性のリミットについて考えた人。
intemental function between
コミュニケーションは完全に理解しあわないとコミュニケーションは出来ないのだろうか?完全に理解しあえたのならコミュニケーションは必要ないとも言える。

ロメットバイトは個人的な考えの人である。
間主観性の研究

とても大きな課題なので端緒に手をつけただけと言うことです。

赤ちゃん(胎児)に対して当てはまる議論なのかどうか質問したい。
適用可能なのかどうか?

面白い質問である。ビゴツキーのパラダイムから言うと、起源と発達の変容、生まれた時点からと言うことにはならないので面白い議論である。
このことについて今の質問がでるまで考えたことがなかった。

メモは以上まで
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「かんしゅかんせい」って何だ?
全部英語でよくわからないけど直接に耳で聞いたままわかるようになりたい。
1月5日(火)に調べたら、次のようなのがあった。
「間主観性とは、後期フッサール,E.の現象学の基本概念である。世界の意味了解は、近代的・合理的・普遍的な認識主体としての個人の主観においてなされるのでなく、超越論的な場における他者と共同体の構成という、複数の主観の共同化による高次の主観においてなされるとした。臨床心理学においても、サリヴァンの「与しながらの観察」やストロロウの「間主観的アプローチ」に端的に見られるように、クライエントとカウンセラーとの間の共生的二者関係の基礎概念となるもの。」(http://www.1-ski.net/archives/000059.html)

注1:「動物化するポストモダン」東 浩紀,講談社現代新書 ←この本,3年位前に読んだ。
注2:ボードリヤール:『シミュラークルとシミュレーション』,『不可能な交換』,『象徴交換と死』などもある。いずれも私には難しかった。1~2年くらい前に亡くなった。

2010-01-03

牛の鈴音

 年末にいくつかの新聞で批評が出ていた『牛の鈴音』という映画を妻と観に行った。銀座シネパトスという映画館,銀座4丁目と歌舞伎座の中間でだいたいの位置はわかっていたのだが入り口が見つからない。探したら,晴海通りを横断するように地下道になっていて,そこにシネマコンプレックスのようになっていた。船乗りだった頃は晴海通りはしばしば通ったが,この場所に地下道があるとは知らなかった。
 映画は新聞で評判になっていたとおり,余韻が残った。
 コンバインは米の無駄がある,農薬を使えば牛の食む草が毒まみれになる,そう言って機械化も農薬もいっさい拒んで,老いた牛を耕作に使い続けるおじいさんと,そんなおじいさんを罵りながらも一緒に牛の世話をし,田畑を耕すおばあさんの生活が「記録」されたドキュメンタリーである。
 小学校低学年の頃,両親の実家に牛がいたことを思い出した。飼い葉を切る道具(押切り)を触ろうとした私に叔父が気づいて,スンデのところで助けられたことがあった。牛の鳴き声,田や畑の風景,風が稲の間を通り抜ける音,そして「はでば」に架かった稲が香ってきそうな映画だった。
 (「はでば」・・・このリンクでは出雲弁となっているが,隠岐でも「はでば」と言う。刈った稲を干すところ)。

2010-01-01

2010年元旦

 元旦は我が家恒例となった朝夷奈切通しを歩いて鎌倉の荏柄天神社へ初詣。今日は学業成就をお願いする本人が予備校へ行ったので,残りの家族で代わりに参詣して御札をもらった。


朝夷奈切通し,環状4号線側の入り口



800年近く前に鎌倉幕府が作った道の雰囲気。



大きな岩盤に刻んだ仏像



鎌倉十二所側の入り口,「昭和16年3月」と記されている。

 環状4号線側の入り口から1時間半くらいで十二所に出られる。途中にこの地域の氏神である熊野神社があるが,無人である。金沢八景の瀬戸神社が管理しているらしい。
 毎年この経路で初詣している。800年の歴史が昔々のことで終わりなのではなく,現在の私たちに連綿とつながっていることなのだと感ずる。

 今年の抱負「昨日よりはマシな人間になろう」。