2008-12-31

2008年大晦日

 今年も何とか無事に大晦日を迎えた。これまでにいろいろな節目はあったが,この一年は特に思い出深い年となった。いろいろな研修会やワークショップに出掛けたときに知り合った人が,それぞれ別の場面で関連のある人だったりする不思議な体験があった。
 このブログを書くきっかけとなったのは,「情報を集めたければブログを書いて情報を発信することです」という浅野先生の一言だったが,結果,いろいろな人的ネットワークが広がり始めた。
 前々から興味を持っていた「社会構成主義」というキーワードにこだわった結果,有元先生と知り合いになり,納得研究会に出入りするようになって,新たな世界が広がった。旧知の人たちとも,この研究会を通じて再会することができた。
 直感的にだが,今やろうとしている「情報デザイン」という領域は,社会構成主義や状況論と親和性がとても強いと思う。そう感じるから,両者に自分から近づいて行ったとも言える。
 新たな年の始まりをワクワクしながら迎えようとするのは久しぶりのことである。


2008年の夕暮れ


 家族サービスとしてコーヒーゼリーを作った。船乗りとして最後に乗船していた船の船長が遠洋航海中にボンド品のブランデーをドボドボ入れて作っていたことを,私は家族に幾度となく話していたらしい。コーヒーゼリーの話題になるたびに,「お父さん,ブランデーをドボドボ入れて作ってやるといって,もう20年以上になるけど・・・」と,有言不実行の非難轟々。
 それで,今回は頑張りました。粉状のゼラチンと一番安いブランデーを買って来て,コーヒーを淹れて砂糖とゼラチンを溶かし込み,ケーキの型に流し込んで・・・冷めたあと冷蔵庫に入れて一晩置くと,立派にコーヒーゼリーになっていた。
 皆が喜んで食べてくれたので,20年来の面目躍如。良い年越しとなった。


面目躍如のコーヒーゼリー

2008-12-30

神田書店街散歩

 娘と妻に付き合って神田書店街を散歩。それぞれの思い思いに古書店をぶらぶらしていたら,源喜堂という書店で Robert Capa の『時代の目撃者』を発見。10年くらい前に新聞広告で見て以来ずっと気になっていたが,6千円くらいするので買えなかった。今日は古書として3900円だったので衝動買いしてしまった。amazonで3千円くらいかとも思ったがその場合は送料もかかるし,本は出会いが大切なので・・・。この写真集には,ノルマンディ上陸作戦に同行したキャパの有名な写真や,1954年にベトナムで地雷を踏んで「戦死」する直前に撮影した写真などが収められている。アンリ=カルティエ=ブレッソンが序言を寄せているのも見逃せない。


 小腹がすいたので,「さぼうる」という喫茶店に入ってスパゲティナポリタンのセットとイタリアンのセットをとった。昭和の香りたっぷりの喫茶店で,これまたノスタルジー満点,山盛りのスパゲティにサラダとコーヒーがついて850円。


喫茶店「さぼうる」


 最近の洒落たイタ飯屋のスパゲティとはちがって,ゆでた麺と具をフライパンで炒めて調理する日本式正統派の味!イタリアでは味わえないだろう。

スパゲティナポリタン

 娘も満足の一日だった。

2008-12-28

社会文化的珈琲メイカーズ

 上大岡の「ひまわりの郷」に,娘がピアノを教わっている先生が不定期に催している音楽会へ行った。


(我が娘も出演し,イタリア古典歌曲の「たとえつれなくても」を歌った。)


 帰りにコーヒーを飲みにスターバックスに入ったとき,『デザインド・リアリティ』のpp.22-29の「社会文化的珈琲メイカーズ」の内容を思い出しながら,店員の所作をつぶさに観察した。なるほど,店員は客のオーダーを復唱しながら,紙カップにオーダーの内容をペンで書き込んでいた。
 私のオーダーはごく簡単な「スターバックスラテ」,サイズはもっとも大きな「Venti / ベンティ」で,妻と半分こ。このほうが経済的なので。
 よく見ていると,オーダーを間違えてメモしたことを気付いたときに,店員はそのカップを廃棄していた。私の次の客はカップ持参だったので,店員はオーダー内容を復唱した上で「マイタンブラー!」と付け加えていた。この場合はカップにオーダーをメモできないので,何か他のメモを使ったのだろうか?
 機会があれば,焼肉店でも店員の観察をして見たいが,こちらは一人で行ってもつまらないし,かと言って家族で入るには資金的に"ある覚悟"が必要だからなぁ・・・
 『デザインド・リアリティ』を読んで,街の景色がなんだか面白くなってきた。

2008-12-24

クリスマスのお祝い

 今年もクリスマスイブを迎えた。慌しくしているうちに年末になってしまい,年賀状もまだ書いていないので少々あせっている。

 高校生の娘はサンタクロースを信じ続けていたい割に夜更かしなので,ツリーの下にプレゼントを置くタイミングが難しい。5人家族なのに上の二人が外出しているので,3人でひっそりとアイスクリームケーキで祝った。
 もう大掃除はすませたので,後は年賀状を書いて大晦日を待つだけと行きたいところだが,宿題もあるのでもうひと頑張りしよう。

2008-12-23

デザインド・リアリティ

 横浜国立大学の有元典文先生と慶應義塾大学SFCの岡部大介先生共著の『デザインド・リアリティ』を購入して読み始めた。副題は「半径300メートルの文化心理学」となっている。




 目次だけをざっと見ると,これがなぜ心理学の本なのかと思ってしまう。著者である両先生の論文題目を見てみると次のようなのが並んでいて,とても気になっていた。
 有元先生の場合は,たとえば「焼肉屋における能力の社会的達成」,「コスプレ・コミュニティにみる社会的ネットワークの拡張としての学習」など。
 また,岡部先生の場合は「アニメ・漫画ファンにおけるメディアコンテンツ消費に関する文化横断的研究」,「中・高校生のメディア/テクノロジー消費に関する文化横断的研究」など。
 読んでみると,「現実」というものが,与えられたものとして我々の目の前に存在するのではなく,我々の世界観,問題意識,歴史認識,興味,関心・・・といったものが「現実」を構成するという社会構成主義的な視点からの,この世界の見方や見え方のヒントが提示され,ますます興味深い。詳しいことは滋賀県立大学松嶋秀明先生のホームページに書評があるのでそちらを参照。
 実は,本書の著者である岡部先生の名前を,「どこかで聞いたことのある名前だが?」と思っていた。しかし,12月20日の納得研究会で謎が解けた。この7月25日に慶應大学SFCで「メディアリテラシー研修講座」を受講したときの講師のひとりだということがわかった。岡部先生も納得研究会のメンバーであり,20日の納得研究会では大成丸でご一緒した。
 今年はこういうことが重なる年だった。8月11日に「体験!情報デザイン」ワークショップへ行ったときに初対面だった吉岡先生が,10月18日の納得研究会においでになっていた。また,数年前に社会教育学会の講演前刷りを手にいれたことがあり(講演には行かなかったが),その中に「端艇実習のエスノグラフィー」という筑波大修士課程の院生の講演アブストラクトが目に止まった。筑波大の院生がなぜ「端艇実習」を論文題目にするのだろうと思っていたら,その院生が今は博士課程に進学していて,やはり12月20日の納得研に来ていた。12月20日の納得研会場となった大成丸の熊田船長は20年以上前に青雲丸で同僚だった。すべて納得研究会でのつながりである。世の中,意外なところで意外な繋がりの上に成り立っているのか?

2008-12-20

納得研究会(第7回)

 本年最後の納得研究会は航海訓練所の練習船大成丸を会場として開催,25~26名の参加でにぎわった。
 筑波大学の茂呂研究室と大成丸の熊田船長が何か共同研究をした縁で,同船長は納得研究会のメンバーになっていたらしい。航海訓練所在職当時,私は彼と青雲丸に乗船していたことがあり,旧知の間柄なので,納得研究会で巡り合えた奇遇が嬉しかった。大成丸といえば,1981年に就航したとき新船受け取りから1年間,三席三等機関士として乗船,その数年後に次席二等機関士として1年半乗船していた懐かしい船だ。28年という船齢を感じさせないほどによく手入れが行き届き,整備されていた。船を守るという船乗りの基本を改めて感じさせられた。



練習船大成丸




初任看護師の初期業務習得過程に影響を及ぼす要因



大成丸の蒸気タービン



大成丸のブリッジ




練習船大成丸夜景

 今回の提案は2本。
(1) 新卒看護師の初期業務習得過程に影響を及ぼす要因
 新卒看護師の9%が1年未満で離職するという現状に問題点を感じた筆者が,新卒看護師の基本的な業務(検温)をビデオ撮影し,インタビューを行って,どのように「一人前の看護師として受け入れられ」てゆくか,新卒看護師自身はどのように職場に適応していると感じているかということを分析し,職場内教育や職場環境について検討することを目的とした研究。

(2) 「動機付け」とは何であったのか
 人間がある行動をする原因(なぜその行動をしたのか)を説明する「動機付け」という概念を俯瞰した発表だったが,私にはかなり難しかった。なぜ難しかったかというと,これまで断片的にしか心理学を勉強したことがなかったから。
 レジュメ後半の「失敗した授業例」を時間の関係で発表されなかったのは残念だった。特に,一番最後のスライドの「指導の場で問題になるのは本人の本当の動機付けよりも本人の動機付けについての指導者の認識(「やる気」をどう評価しているか)というところは詳しく聞きたかった。

(3) 船内見学
 大成丸船内見学は,実習生居住区,機関室,士官居住区,船長公室,ブリッジなど隅々まで案内していただいた。かつて私の職場であった機関室,蒸気タービンや教室を見て三等機関士だった頃,二等機関士だった頃を思い出した。

2008-12-06

第52回オレンジの集い

 昨日は「情報デザイン研究会」の準備のために横浜デジタルアーツ専門学校で19時~21時半まで勉強会があった。2009年1月6日に横浜清陵総合高校で実施するワークショップの打ち合わせである。「情報デザイン」という概念に接したのは7月に情報部会で開催した研修会が初めてであったが,このごろ気になり始めている「社会構成主義」とどこか通ずるところがあるように思われて,何とか授業に取り込めないかと考えている。
 その後,新横浜駅前の民民で懇親会?反省会?。帰宅が24時を超えてしまった。
 それで,今日(6日)の記事となる。
本日は午後3時半より19時半まで日比谷公会堂へ,法政大学応援団の「第52回オレンジの集い」に行ってきた。


チアリーダーの「ブリッジ」



団旗紹介



校歌



日比谷公会堂



 今春,次男の入学式で応援団の演技を見て以来,彼らを見るために六大学野球に足を運ぶようになった。
 同大の応援団は(多くの応援団がそうであるように),応援を指揮するリーダー部と,吹奏楽部,チアリーディング部の3部の連合体のようになっていて,全体が応援団ということになっているようだ。
 この日の「オレンジの集い」は,Ⅰ部吹奏楽部,Ⅱ部チアリーディング部,Ⅲ部リーダー部という構成で,神宮での応援風景とはまたちがった雰囲気を楽しむことができた。