2011-09-14

社会と文化の心理学

 8月に刊行されたばかりの『社会と文化の心理学ーヴィゴツキーに学ぶ』を読んだ。
 世界思想社からの発行で、次の15名の方々が執筆されている(敬称略)。
  • 茂呂雄二:筑波大学
  • 伊藤崇:北海道大学
  • 有元典文:横浜国立大学
  • 朴東燮:新羅大学
  • 田島充士:高知工科大学
  • 鹿嶋桃子:名寄市立大学
  • 香川秀太:大正大学
  • 加藤弘通:静岡大学
  • 青木美和子:札幌国際大学
  • 山崎史郎:熊本学園大学
  • 文野洋:文京学院大学
  • 西口光一:大阪大学
  • 城間祥子:愛媛大学
  • 鈴木栄幸:茨城大学
  • 臼井東:日立製作所

 全体は「社会と文化の心理学」「発達を支援する」「学びを創造する」の三部構成になっていて、15名の執筆者がそれぞれ1章づつを分担してヴィゴツキーのアイデアを活用した研究成果の一部を紹介しており,ヴィゴツキーの心理学がわかりやすく伝わってくる。
 ヴィゴツキーの『心理学の危機~歴史的意味と方法論の研究~』明治図書(復刻版)を持っているが、私には難しくて通しては読み進められず、読めそうなところを拾い読みしてきた。「発達の最近接領域」、「正統的周辺参加」、「媒介の三角形」などの重要な概念についてはなんとかわかってきたつもりだったが、今回「社会と文化の心理学」を読んで、理解を新たにした。
 一度通して読んだだけでは「わかったつもり」で終わってしまいそうなので、今は河野哲也『レポート・論文の書き方入門』(慶應義塾大学出版会)にならって、各パラグラフを1-2行の1文に要約するテキスト批評のような読み方で再読し、理解を深めようとしているところ。
 教育とは、教えるとは、生徒指導とは、学校とは、学習とはなにか。そして、これらを職業としている自分は、教材を考え、授業を組み立て、生徒と日々接するうえで、何を自分の支柱としてゆけば良いのか。そのような想いにひとつの道標を与えてくれる一冊だ。

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