2011-09-30

船の科学館休館

 船の科学館が37年の歴史に区切りをつけ9月30日で休館となった。南極観測船宗谷の展示は続けられるが,青函連絡船羊蹄丸については保存展示を終えた。譲渡先の審査中ということだが,この先どのような形で残されるのか,残されないのか詳細は未定だそうだ。

 羊蹄丸では15時半より「未来に向けての出航」のための神事が行われ,引き続いて出航式が行われた。青函連絡船に勤務されたかつての乗組員の方々が船橋に集まり,船長の指揮のもと出航を再現した。

 17時には船の科学館本館前で最後の来館者が退場し,博物館職員の皆さんが制服姿で最後の挨拶をし,シャッターが閉じられた。本館には造船と海運に関する貴重な資料が多く保存されている。機関士出身の私には,ディーゼル機関やガスタービンの展示はもちろん興味深かった。これらの保存,次世代への継承をするために海洋教育拠点へのリニューアル準備を行うということなのだが,その詳細も未定だそうだ。
 花毛布の調査で羊蹄丸ボランティアの人たちにお世話になっていたので,閉館式典の後の青函連絡船旧乗組員と羊蹄丸ボランティアの人たちの打ち上げ宴会に私も参加させてもらった。
 私の前に青函連絡船の元機関長が座っていらしたのだが,その人は小樽丸が練習船大成丸に改装された直後に実習生として乗船されたとの事。その船は私の親船で,1979年11月に三席三等機関士として乗船し,船乗りとして,社会人として歩み始めた記念すべき船だ。船が取り持つ不思議な縁で,話に花が咲いた。

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