毎年お盆の頃には,昭和54年に講談社から出版された『昭和萬葉集』の巻七を読むことにしている。就職したばかりの頃の盆に帰省したとき,両親とNHKの番組を見ていてこの本の中の一首を知った。その一首が忘れられず,休暇が終わってから買い求めて母に贈った本だ。今は母の形見として手元に置いている。この巻七には,昭和20年から22年,終戦前後から復興の頃の歌が集められている。
『帰らざる十七人ほどの兵ありて静かなる村の一つの嘆き』(菅原俊治,「創作」)
第二次世界大戦も終戦後の動乱期も私が生まれる前のことだが,自分の意志とはかかわりなしに戦争に巻き込まれ,歴史に名前を刻まれることもなく亡くなっていった300万人を超える命を想う。
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