2008-11-24

Webデザイン講習会

 情報コミュニケーション教育研究会の講習会「ちょっと体験してみる業界のWeb制作 」に参加した。納得研究会のメンバーである東京の先生から誘われていたので行ってみると,その先生と横浜清陵総合高校の先生が互いに武蔵工業大学の小池研究室を介して交流のあることがわかった(もっとも,二人はこの日初対面だったようだが)。世の中,意外なところで意外なつながりがあるものだ。というか,求めて出てゆくと,そこには求めて出てきた人がいて,「類は友を呼ぶ」ということが現実のものとなるのだろう。
 Webサイトを制作している現場の講師から,Webデザインの会社で実際に行われている実例をもとに,ソフトウェアの実習を交えながら講習が行われた。
 「イラストレータ」,「フォトショップ」「ファイヤーワークス」「ドリームウィーバー」などを使った講習だったが,講師からは「ソフトウェアをどのように使うかではなく,何を伝えたいか,情報をどう捉えるか,どのようにまとめるか,どのように伝えるか・・・が大切なので,結局は日本語力というか,表現,読解といったことがとても大切なこと」という話があり,「我が意を得たり」と納得した。
 講習には東京・神奈川の,主として情報を担当する教師がおよそ30名ほど参加し,講習の後は記憶を定着させるための懇親を新井薬師駅前で,講習と同じくらいの時間をかけて行った。

2008-11-22

納得研究会

 14時から17時半まで納得研究会の例会に出席(青山学院大学の教室で)。2名の研究進捗状況の発表があった。
発表1 (横浜国立大学で研修中の現職の先生)
 (研究1)中学時代の先生との交流について大学生に「半構造化面接法」によるインタビューを行い,生徒に対する教師のより良い働きかけについて調べる。インタビューの録音を書き起こし,テクストの切片から注目すべき語句を抽出,カテゴリー分けし,概念化する。質的分析法「SCAT」。
 (研究2)現職の教師に「半構造化面接法」によるインタビューを行い,生徒と教師の望ましい関係のつくりかたについて調べる。(研究1)と同様の手法で概念化する。

 研究1は,教師に対するフィードバックとして考えると,現場の教師には良い刺激となる。有元先生の「教育は林業のような仕事だ」という指摘に同感した。

発表2(大学院修士課程2年生)
 「発達はどこにあるのか」について,「動く赤ちゃん事典」の分析を行っている中間報告。


「動く赤ちゃん事典」のDVDでは,5ヶ月くらいの赤ちゃんに「座位の練習」をしている映像があったが,自分の子育ての経験では「おすわり」を「練習」としてやったことはないように思う。今はこうなのか?という疑問を感じたので質問したら,「練習したことないと明言できますか?忘れてたり,お母さんがしてたことをお父さんは知らなかっただけかも?」と,突っ込まれた。なるほど。
 「今は生まれたときからスタンダードの中に放り込まれる」(有元)。母子手帳に「標準」のグラフが印刷してあって,我が子の体重をプロットしたことが思い出される。
 「自律性」は我々の中にあるのか?

 『語りかける身体』西村ユミ,という本に何らかのヒントがあるらしい。

 研究会の後は今日も懇親会。2件行きました。

2008-11-20

工場実習中間見回り

 専攻科水産工学科1年生が実習でお世話になっている住友重機械マリンエンジニアリング(株)へ,実習の中間見回りに行った。

プロペラ軸を船内側から取り付ける準備


暖機を行うときにエンジンをゆっくり回転させるための歯車


メインエンジンは高さ4~5メートルはある

 本校には卒業してからさらに2年間学ぶ専攻科(漁業生産科,水産工学科,情報通信科)の課程がある。このうち,漁業生産科1年生は2回の遠洋航海を含む12ヶ月の乗船実習,水産工学科1年は1回の遠洋航海を含む9ヶ月の乗船実習と3ヶ月の工場実習が課せられている。
 専攻科水産工学科の工場実習は民間の造船工場に委託して行っており,建造中の船で機関艤装(ぎそう)を実習する。工程と実習期間のタイミングが合えば,施主に引き渡す前に行う海上公試運転に立ち会うこともある。今回は,560メートルあるドックで建造中の10万トンタンカーで実習している(このドックは50万トンの船を作ることができるということだった)。東京海洋大学海洋工学部や神戸大学海事科学部では,すでにこの工場実習を行わなくなっており,現在では本校をはじめとする水産高校の専攻科だけで実施している貴重な実習だ。
 造船所では,陸上の工場で鋼板から船体の各部分を切り出し,プレスで船体の形状に成型し,溶接して船体ブロックを作ってゆく。ある程度できるとドライドックに運んで組み立てる。こうして船体の建造を行いながら,機関やプロペラを艤装する。工場で受けた説明によると,最近では大きな船を作る造船所でも「明日必要な物は前日に準備できていれば良い」という,余分な在庫を持たない生産方式を取り入れているということだった。

2008-11-17

乗船記念日

 今日は私の機関士としての乗船記念日だ。1979年9月30日に卒業し(卒延・留年にあらず。商船大学は修業年限4年6ヶ月だったので),10月1日に当時の運輸省航海訓練所に採用された。1ヶ月半の研修と国家試験の受験があり,国家試験の合格発表もないうちに高知港からの乗船を命ぜられた。試験に不合格になることは想定されていなかったようだ。
 同時に採用された航海士とともに東京から新幹線と宇高連絡船,土讃線を乗り継いで高知港に停泊中の練習船大成丸(2455トン,主機蒸気タービン1700馬力)に乗船したのが16日20時。翌日,高知海運局で正式な乗船手続を行って船員手帳に証明を受けたので,17日が乗船記念日というわけだ。
 
 船員手帳には「三席三等機関士」と書いてあるが,国家試験の合格発表がまだなので機関士の免許を持っておらず,船内では「員外機関士」だった。つまり,機関士としての処遇を受けるけれども員数外という,ミソッカスといえばわかりやすい立場だった。無事に合格発表があって「甲種二等機関士」の免許を公布された日に遡り,正式に「三席三等機関士」となった。この免許は,今は「三級海技士(機関)」という,あまりありがたみを感じない名前に変わっている。ちなみに,現在の私の免許は「一級海技士(機関)」,昔の名前で言えば「甲種機関長」である。

 大成丸は1947年建造の小樽丸という,日本郵船の貨客船を1953年に練習船に改装した船だ。改装に当たって船体を11メートル長くした。私が乗船したときで,すでに船齢32年で,練習船隊の中でも最古参だった。この船に1年半乗船し,1981年3月,同じ名前を引き継いだ新造の大成丸5800トン(主機蒸気タービン,7000馬力)に転船した。

 「大成丸」はとても伝統のある船名で,初代は東京高等商船学校(今の東京海洋大学海洋工学部)所属の4本マストバーク式の練習帆船である。戦前に2回の世界周航を行う名船だったが,第二次世界大戦中に機雷に触れて沈没してしまった。

 船乗りでなくなった今も,毎年この日を迎えると社会人として歩み始めたときのことを思い出す。「月月火水木金金」の乗船勤務だった。

2008-11-16

関東大学ラグビーリーグ戦(群馬県前橋市)

 法政大学対中央大学の試合を応援しに,朝六時半に家を出て,電車を乗り継いで11時前に群馬県立敷島公園ラグビー場に着いた。あまりに遠くて,旅行気分。

前へ!



敵をかわす。



TRY!


 試合は中央に先制トライを許し,前半8対7で折り返し。拮抗したゲームが続いたが結局27対12で勝った。リーグ戦はあと1試合,拓殖大戦を残すのみとなった。
 今日は曇り空で試合前は時々晴れ間もあったが,後半になって雨が降り出した。カメラにゴミ袋をかぶせての撮影だった。

2008-11-15

情報デザインフォーラム(第2回)

 港の見える丘公園の隣のゲーテ座(岩崎博物館)で開催された第二回情報デザインフォーラムに参加した。


岩崎博物館(ゲーテ座)


基調講演


ポスターセッション


8月27日に行われた情報デザインフォーラム主催の「横浜ワークショップ2008」発表会という位置付けで,ほぼ満席の状態だった。
 横浜ワークショップは,情報デザインを勉強している学生,情報デザインを仕事にしている社会人が,学生・社会人の枠をこえて4~5人のチームを組んで実施された。初対面だった者同士が当日にチームを組んで横浜の街をフィールドワークし,「横浜の地図を作る」という課題に丸二日間という短時間で取り組んだ。
 9月のフォローアップ講習を経て今回の発表となり,情報デザインフォーラムの講師の基調講演,情報デザインの現場にいる企業人の実践紹介のあと,ワークショップ参加の各チームのプレゼンテーション,ポスターセッションが行われた。
 ふだん何気なく歩いている街も,視点によって見え方は千差万別で,様々な地図ができていた。このあたりは,有元典文先生の「学習環境デザイン」講座で話題になっていたことと通ずるものがある。つまり,客観的な「現実」が安定的に私たちの目の前に存在するのではなく,私たちの思考,歴史観,問題意識などが「現実」を構成しているのだとする「社会構成主義」的なとらえかたである。
 最近は高校生もプレゼンテーションによる発表を行うようになってきたが,その取り掛かりとしてポスターセッションは手軽なわりに充分な準備が必要で,プレゼンテーションの前段階で高校生が練習するには良い方法ではないかと思った。
 

2008-11-08

NIE研修講座

 午後からNIE研修講座に参加した。横浜国立大学と神奈川県立総合教育センター,横浜市教育委員会,川崎市教育委員会共催で,一昨位年以来毎年受講している。昨年までの2回はワークショップと講演だったが,今年は講演とパネルディスカッションだった。
 会場は関内の横浜メディアビジネスセンタービルにある関東学院メディアセンターで,このビルには神奈川新聞社とTVKも入っている。

横浜メディアビジネスセンター

 第1部の講演では,この八月に北欧へNIEの視察へ行った相模原市立鵜森中学校の先生の報告があった。視察団が小学校を訪れると,小学生からインタビューを受け,日本のことをいろいろと質問されたり写真を撮られたり,それはごく普通に取材が行われ,新聞の記事になるとのこと。
 最も驚いたのは,ノーベル平和賞の授賞式にこのような小学生が公式に記者章とセキュリティチェックを受けて受賞者にインタビューし,受賞者もきちんと対応してWeb新聞に仕立てていたという話。
 また,新聞社が「メディアラボ」として中学生や高校生を募って企画・取材・編集をさせて実際に発行している新聞の一面を作らせたりする活動も行われているとのことだった。


パネルディスカッション,コーディネータは高木まさき横浜国立大学教授


 第2部のパネルディスカッションでは,高木まさき教授から,小中学校国語の学習指導要領に新聞を用いた学習が盛り込まれたことからNIEを教科の中でやりやすくなる方向にあるという話があった。小・中・高校の先生から,これまでの実践の紹介があった。限られた時間,限られた環境の中で工夫して新聞を用いた学習に取り組んでこられた先生方の実践は,どれも参考になった。
 新聞を切り抜いてコピーしたものを貼り付けたプリントは,生徒にとっては「プリント」で,やはり新聞を丸ごと使った学習のほうが面白いだろうと思う。高木教授の説明の中で,「正確な読解を目指すと学習が行き詰ることがある。大体わかるという読み方も必要なのではないか?」という提案があったが,新聞などをナナメ読みしているときには,そんな読み方をしているなぁと同感。


研修の後は新聞博物館へ

 研修の後は日本大通の新聞博物館へ。ここは一昨年のNIE研修のときに研修の一環として訪れて以来,毎年来ていてお気に入りの場所だ。
 最近読んだ新聞に,若者の献血離れが報じられていたので,横浜駅で何年ぶりかに献血をして帰宅した。

2008-11-03

関東大学ラグビーリーグ戦(秩父宮)

秩父宮ラグビー場で,法政大学対関東学院大学の試合を観戦した。


華麗なステップで走る!


楕円球を持って戦う格闘技。


逆転のトライを決める!

結果は法政24-21関東学院。大変厳しい試合で,法政は後半のロスタイムでトライを奪い,逆転に成功した。2006年に引き続く関東学院からの勝利である。

2008-11-02

海洋空間のシステムデザインカップコンテスト

横浜国大に有志の生徒と出かけ,海洋空間システムデザインカップ、ヒレ推進コンテストに出場した。本校からは2チーム,全体で8チームが出場し、本校は5位と8位だった。

横浜国立大学船舶海洋工学棟入り口


造船の講座らしく,アンカーとスクリュープロペラが飾ってある。


9.2メートル走ってタイムアウト


3.35メートル走ってタイムアウト

レースは造船工学の実験に使う水槽を,10メートル航走するのに要したタイムで競う。2分を越えるとタイムアウトとなり、航走した距離がそのチームの記録となる。
本校から出場したチームは二隻とも直進性能、推進性能ともに課題が山積で、二隻ともコースロープにふれたままタイムアウトとなった。

他チームの船はすべてヒレの回転軸が垂直でヒレを左右に揺動するタイプ,本校は回転軸を水平に置いてヒレを上下に揺動するタイプで,横浜国大の先生からは船の前後の動揺(ピッチング)に対して本校のタイプは優れているはずだとの講評をいただいた。
また,9月23日の公開講座のとき,船を製作する参考のためにもらったタミヤの「メカフグ」をそのまま利用し,ヒレだけを改造したのが2チームあったが,本校はドライブ機構だけを流用した以外はすべて自作だったので,健闘だったと思う。

他校が部活動の一環で出場する中,本校の生徒は,部活動や実習で忙しい身でありながら時間を工面しての参加で,よく頑張ったのに結果がともなわず残念だった。

参加チーム:千葉敬愛高校(1チーム,1位,タミヤ改造),希望ヶ丘高校(1チーム,2位,自作),湘南高校(1チーム,3位,タミヤ改造),横須賀高校(1チーム,特別賞,自作),早稲田高等学院(2チーム,自作),本校(2チーム,自作),以上。