8月24日で夏休みも終わり,昨日から授業再開。2期制なので新学期とはいわず,期末試験の準備や学期末の成績まとめの季節である。
今週はOSについての授業を行っている。
(1) 紙を配って,机の上のコンピュータの諸装置の名称を書き出す。
コンピュータ本体,マウス,キーボード,ディスプレイ・・・教室の前や後にプリンタやスキャナもある。
(2) 形のあるもの,手でさわれる装置がハードウェア。hardwareはもともとは金物という意味,glassware,tablewareなどの説明で横道に入り,衣類のwearとは違うことを話す。
(3) softwareは手でさわることができない”プログラム” で,コンピュータに行わせたい命令の集まり。
(4) ソフトウェアはオペレーティングシステムとアプリケーションソフトウェアに大別できる。
(5) 「コンピュータが使える」ということはどういうことか?と質問する。生徒はキョトンとしている。
マウスを動かして見せる。「マウスを動かすと画面ではどうなっている?」と質問すると,「矢印が動く」と反応がある。あまりに当たり前の質問なので生徒はだまされたような顔をしている。そのうちに,こちらが考えていたような答えが帰ってくる。「キーボードから文字を打つと,画面に表示される」「アイコンをダブルクリックするとソフトが起動する」など。
(6) コンピュータを使えるようにするのがOSの役目だという説明。
次にCUIとGUIを体験させてインターフェイスの説明をする。
(7) デスクトップの「マイドキュメント」を開かせ,ウィンドウを画面の左半分に配置する。
(8) コマンドプロンプトを開かせて,ウィンドウを右半分に配置する。
(9) コマンドプロンプトから,CD My Documents と打ち込ませる。dirでディレクトリの確認。MD testと打ち込ませてtestディレクトリを作らせる。dirで確認。
(10) マイドキュメントを見てtestフォルダができていることを確認。
(11) コマンドプロンプトでRD testと打ち込ませる。dirでtestディレクトリがなくなっていることを確認する。
(12) マイドキュメントを見てtestフォルダがなくなっていることを確認。
dos窓操作を行う授業は生徒にとって初めてだったので授業展開を心配していたが,「ほんのちょっとの冒険」を行ってみて,意外にもうまく実習ができた。CUIとGUIを体験し,インターフェイスとはなにかを考える。携帯電話やゲーム機を使うとき,取扱説明書を詳しく読む人がどれだけいるか?などの話も織り交ぜて。
ある機械を初めて使うとき,何の問題もなく,難しい取扱説明書を読まなくても目的の通りに操作できるのが良いインターフェイスである。これは7月23日の「情報デザインワークショップ」からの借用。
2008-08-26
2008-08-19
学習環境デザイン研修講座
横浜国立大学連携講座『授業デザイン・活動デザイン』を受講した(横国大教育人間科学部付属 教育実践総合センター,13~16時)。講座の担当は教育人間科学部准教授の有元典文先生で,一昨年からこの先生の講座は必ず受講することにしている。
1.「学習とは」20文字以内で定義する。
2.児童・生徒の学習を見取る方法を1行で表現する。
3.アメリカのある小学校の授業風景。机も椅子もなく,球,立方体,円錐の形を唄いながら学習している。児童は思い思いに動いていて,それでも学習に参加している。なんと自由な!
4.社会的構成主義入門:「客観的事実」は誰の目にも見えるのではなく,「見る目」がなければ見えない。「事実」というのは社会的に構成される。
5.学生が「鉛筆回し」の方法を教えるビデオを見て,どのように教えようとしているかを書き出す。
6.学習を観測する工夫
7.個人の能力が「可視」となる授業,「不可視」となる授業をデザインしてみる。
8.日本のある小学校の授業風景を見て,活動を時系列にメモする。受講者は4人ずつのグループに分かれてその授業がどんなデザインになっているか,その結果から何が観察されたかを話し合って発表する。
授業をデザインする上でのポイント:「何を明らかにするのか」「子供を誰にしたいのか」「いつ使えるのか」「どこに参加させるのか」
子供が,「自分が何をしているか」に自覚的になるような授業をデザインしよう。(4.)で何故いきなり「社会的構成主義」が出てきたかというと,授業を通して子供の「何を」見ようとしているかがはっきりしていなければ,学習(行動の変容)を観察することはできないから。ここに,社会的構成主義という哲学的立場のあることを知っておいたほうが良いから。
有元先生の講義はとても興味深くわかりやすい。来年も是非参加したい。
2008-08-17
上野散歩
フェルメール展を見に上野へでかけた。混雑を覚悟していたが,皆さん帰省あとのお疲れ休みとみえて,ならばずに入ることができた。画家の系譜も絵に対する審美眼もないが,実物を見ると絵の息遣いが伝わってくるようで,「見た」という気になった。
館内ではまず,他の画家の展示は素通りしてフェルメールに直行し,その後で入り口に戻って他の画家の作品も鑑賞した。
上野公園の一角に移築されている旧東京音楽学校の奏楽堂で30分ほどのチェンバロのミニコンサートをやっていたので,こちらにも入った。この奏楽堂は明治23年の建造で,一時は愛知の明治村へ移築される可能性もあったらしい。昭和62年に今の場所に移築されて,現在は重要文化財になっている。入場料は300円。これでチェンバロの演奏も聴くことが出来た。
2008-08-12
教職員著作権講習会
文化庁主催の教職員著作権講習会に出席した。6月頃に学校を通じて募集があり、応募していた。全国から290名が集まり、オリンピック記念青少年センターのセミナーホールは満席で、著作権への関心の高まりがうかがえる。
文化庁長官官房著作権課課長補佐の講義では、著作権法の「原則」と「例外」が逆転して、例外規定の一人歩きに学校現場が混乱する傾向があるとのことだった。しかし、かく言う文化庁のリーフレットでは「著作者の了解なしに利用できる場合」として、学校現場では有名な35条のほか30条,32条,36条,38条を説明してあり、そこには「例外」とも「著作権者の権利を制限する条項」とも説明していない。このあたりの記述が「例外規定の一人歩き」の原因と思うが如何に?
午後は,千葉県柏市立旭東小学校,東海大学付属仰星中・高等学校,東海大学付属第五高等学校の実践発表があった。各校とも,総合的な学習の時間,教科,特別活動を通じて,様々な機会を用いて著作権に関する教育を行っている。共通していたのは「~~してはいけない」などのべからず教育ではなく,「文化創造」という著作権法の原点にたった展開をしている点であった。
文化庁の著作権啓発のためのリーフレットなどは活用できるし,新聞やニュースなど著作権に関する教育の切り口はいろいろある。情報教育の観点からも,授業の工夫をしなければと思った。
2008-08-11
体験!情報デザイン
専修大学上平崇仁先生(ネットワーク情報学部准教授,コンテンツデザイン担当)のワークショップに参加した。7月23日の情報部会のワークショップとも関連が深く,これからの情報教育を考える上で大いに参考になった。
今日のワークショップは,「ペーパープロトタイピング」の実践。ウェブコンテンツなどを計画する上で,まず紙の上で情報をどのように伝えるかを,利用する人の立場に立ってけいかくする。映画でいうところの「絵コンテ」を作ってみるということでしょう。
まずウォーミングアップとして,隣の席の人とコミュニケーションゲーム。これはある図形を「身振りを
交えずに言葉だけで」相手に説明し,相手はその説明から理解した図形を再現するというもの。以前にも幾度かこれをやったことはあるが,隣の人と一組になってというのは初めて。情報を離れてホームルーム活動などでも活用できそうだ。
次に,「ある大事故の現場で,輸血のルールを言葉での説明なしに,母語の異なる人同士でもわかるようにする表示方法を考える」という演習。いろいろな視点がある。情報を伝えるというのは人によってその方法が千差万別だが,いろいろな人のを比べてみると,分かりやすさ,論理性などが見えてきて面白い。
最後が,「今朝10時に何をしていたか,そこから連想する色は?」「昭和最後の日に何をしていたか,そこから連想する色は?」「あなたの一番古い記憶は,そこから連想する色
は?」「-だいじょうぶ-という言葉が生きている場面と,その状況を説明する。そこから連想する色は?」という質問シートに答える。これを集めて,質問項目ごとに別のグループに配る。配布を受けたグループは,その質問シートから,ウェブをデザインするというもの。
前回の「ペルソナ/シナリオ法」といい,今回の「ペーパープロトタイピング」といい,知らないことばかりだったので,収穫は大きかった。わかったつもりで終わらないよう,授業のどこかで,あるいは授業以外のいろいろな活動で活用したい。
「フォトカードソート」というのもあるらしい。7月26日の土曜日に関内でワークショップがあったことを,申込締切後に知った。残念だったが,次回には必ず参加しようと思う。
2008-08-08
玉掛け技能講習
2008-08-07
体験航海
2008-08-06
小型特殊船舶実技教員講習
2008-08-05
第3回学校教育におけるキャリア教育シンポジウム
神奈川大学(東横線白楽),セレストホール,13時~17時45分。下村隆裕氏(経済産業省産業人財政策室長補佐)の基調講演のあと,高等学校のキャリア教育実践報告,パネルディスカッションがあった。午前から蒸し暑かったが,シンポジウムの最中は雷雨で,夕方は雨も上がっていた。
実践報告
(1)東京都立豊島高等学校:「ジョブシャドウによる企業での体験学習」
(2)神奈川県立横浜清陵総合高等学校:生徒による発表「産業社会と人間」,学校設定科目「コミュニケーション」,卒業生による発表「私のキャリア教育と大学進学」
(3)神奈川県立田奈高等学校:「重層的キャリア教育-地域の様々な資源を生かして-」
パネルディスカッションでは,行政,企業,教育,保護者それぞれのパネリストとフロアから活発な意見交換が行われた。
半日のシンポジウムであったが,内容はとても濃かった。とくに,客席に座る高校や大学の教員を前に,横浜清陵の2年生,3年生,卒業したての大学1年生の堂々たる発表に敬服した。
今日のシンポジウムのキーワード:
キャリア教育は地域と一体となって進める。
ジョブシャドウは「人がしている仕事を見る」のではなく「仕事をしている人を見る」。
総合学科のカリキュラムは学校の外にある。
自分の進路に立ちはだかるのは自分自身。
個性のない仕事はないという気付き。
齢(ヨワイ)16にして現実を突きつけられてしまいました。
自分が見ている自分と他人が見ている自分はちがう。
高校3年間を通じて自分が成長できたと実感できた。
美しい計画書作りよりもひとつひとつの実践の積み上げが大切。
高校生は「受け入れてもらえる嬉しさ」を素直に感ずることができる。
キャリア教育はひとつの教科,ひとつの科目ではなく,あらゆる機会を通じ,あらゆる資源を活用して進めるべきである。
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