特に,現役大学生の参加があったことはこれからの情報教育を支える若い力の萌芽が感じられ,喜ばしいことだ。また,大学で情報教員の養成に関わっている先生方の参加もあり,全体で50名くらいの出席だった。
7本の発表が行われ,活発な議論が交わされた。
- 箱ひげ図で分布を読み解こう
- 情報科教員採用試験報告
- 体験してみよう! 情報のデジタル化
- ICTを取り入れたアサーション技法を用いた「情報モラル」の育成
- ディベートを体験しよう
- 玉川学園前高等部情報科のカリキュラムについて
- 2年目の実践事例
- 教育用プログラム言語の比較
- 講演 尚美学園大学 小泉力一先生「今後の情報教育のあり方や新教育課程の情報提供」
- 好評 神奈川県教育委員会指導主事 柴田功先生
9時30分から始まって,1時間の昼休みにはポスターセッションとワークショップも組み込まれ,17時までたっぷりの研究会だった。生徒に「教え込む」のではなく,生徒が活動する中から課題を見つけ出して生徒が自分で考えるように仕組まれた授業デザインの報告が多かった。
五十嵐先生の「箱ひげ図」は,新学習指導要領「数学Ⅰ」に新たに盛り込まれた内容だが,紙テープを目分量で10㎝にカットし,そのサンプルの実測長さの分布をグループごとに比較しようというもの。数学との教科横断,コラボレーションが期待できる。
諏訪間先生の「ディベート」は,高校生でも教室でできるようにアレンジされていいた。
採用試験に合格した大学生による,2次試験で課せられた模擬授業を再現する発表は,彼が初年度または2年目頃にどのような実践事例を報告するか楽しみにさせる内容だった。期待したい。
教科情報が始まって間もなく10年になる。歴史が浅いとはいえ10年の蓄積は大きい。初期のワープロ・パソコン教室風の授業から脱却するために,情報部会が果たして来た役割はとても大きい。
認知心理学者の佐伯胖先生によれば,「人は、教えてもらえると思った瞬間、"考えないスイッチ"が入る」そうだ(東大,中原淳先生のブログから)。
生徒が自分で考えるように授業をデザインする,いろいろな仕掛けを仕込む,そういう工夫と努力が教員には必要だ。
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