2011-02-28

第5回海洋教育セミナー

 13時3O分から17時30まで、(独)海洋研究開発機構横浜研究所で開催された標記セミナーに参加した。日本船舶海洋工学会が会員向けに開催しているセミナーで、私は会員ではないが海洋教育に関わる教員として出席させてもらっている。
 
1 JAMSTECの海洋教育(満澤巨彦さん)
 :1971年に海洋科学技術センターとして発足して以来の海洋科学技術に関する広報活動と海洋教育についての取り組みについての発表。

2 マリエント『ちきゅう』たんけんクラブの活動(吉井仁美さん)
 :八戸市水産科学館マリエントが、小・中学生対象に行っている『「ちきゅう」探検クラブ』の紹介。JAMSTEC(海洋研究開発機構)の地球探査船「ちきゅう」の八戸寄港では見学会を催すなど、同機構と連携した活動も行なっている。体験したことは必ずレポートにまとめさせるなど、「体験」を「学び」に結びつける工夫を重ね、海洋教育を実践している。
 
3 学校で行われている海洋教育とこれからの課題。NPOなどで行われている海洋教育について(東村山第一中学 並木英和さん)
 :中学校の教科の中で実現できる海洋教育の取り組み事例(美術担当)と、NPOなどが行っている海洋教育の紹介。並木先生ご自身が大阪市の帆装練習船「あこがれ」で帆走体験をしたことがあり、その経験から現在では「あこがれ」のボランティアスタッフにもなっている。

4 海洋教育に関するカリキュラムの作成(文部科学省 田村学さん)
 :小学校・中学校における海洋教育のカリキュラム策定の紹介。現在、海洋教育は独立した教科としては位置づけられていないが、学習指導要領の各教科・科目に示されている目標や実施する上での注意事項などから、既存の教科・科目の中で海洋教育を行う上での指標をしめした。特に、年間で70時間行う「総合的な学習の時間」は、目標や学習活動を教員が自由に考えて実践できるので、学校のある地域や生徒のニーズに合わせて海洋教育を行うことができる。

 →→「総合的な学習の時間」は教員の「カリキュラム開発力」に関わっているのだと思った。つまり、今や学校は真空地帯ではありえず、学校の外にある教育機会を活用し、連携し、教室ではできないことを生徒に体験させ、体験したことを学習に結びつける必要がある。教員にはそのような教育機会をとらえる嗅覚、それらをカリキュラムの中に位置づける工夫、ひとつの単元として総合する力が求められている。


18時から別の会議が控えていたので研究所見学会と懇親会は出席しなかった。

2011-02-24

三級海技士国家試験の合格発表

 2月9~10日に行われた三級海技士国家試験の合格発表があり,専攻科の生徒が三級海技士(機関)の筆記試験に2名合格した。昨年7月と10月の試験を合わせると合格者は5名になった。
 本校の専攻科水産工学科は,国土交通省から「内燃機関三級海技士(機関)第一種養成施設」の指定をうけているので,専攻科課程の最終試験に合格して修了すると内燃機関三級海技士(機関)の筆記試験が免除され,口述試験を受験することができる。しかし,「内燃機関三級海技士(機関)」という免許は蒸気タービンなどの外燃機関を扱えない免許である。そこで,専攻科生徒の多くは機関限定なしの「三級海技士(機関)」の試験を受験する。
 今年度は学校の定期試験の他に3回の模擬試験を行うなどの対策をし,国家試験受験準備の長丁場にメリハリをつけてモチベーションの維持に努めてきたが,彼らはそれに応えてよく勉強した。3月中旬には口述試験があるのでまだ気は抜けないが,それに合格すると免許証を申請することができる。減少の一途をたどる日本人船員だが,努力して海技免許を取得し,船を職場にしようとしている彼らを頼もしく思う。

2011-02-09

専門高校研究・実践活動発表会

 藤沢の神奈川県立総合教育センターで、県立専門高校に学ぶ生徒の研究・実践活動の発表会があった。
 午前中にリハーサル、午後本番で、センターの中講堂は高校生と教員とわずかながら保護者で満員、内容の濃い発表が行われた。


発表会後の記念写真撮影


 各校の発表題目と概要は下記の通り。


1 二俣川看護福祉高校:「高齢者の孤独死の現状と対策」
 「孤独氏」に関する新聞記事を読んだことをときっかけに,その現状と対策について調べ,高校生を社会資源とした活動やネットワークについて考察した研究。

2 中央農業高校:「耕作放棄地から広がる地産地消と食育」
 海老名市農業委員会と協力して耕作放棄地で小麦の栽培を始め,麦踏みを市民や保育園児に協力してもらい,脱穀から製粉などの作業を昔ながらの方法で行った。地元名産のイチゴから天然酵母を作り,自作の小麦でパンを作って海老名視力か祭りに参加するなど,地域と連携した活動実践の発表。

3 向の岡工業高校:「ホバークラフトの研究」
 掃除機のモーターと扇風機を利用し,人が乗れるホバーバイク(ホバークラフト)を基礎的な模型実験から徐々に改良を重ねて完成させた研究・製作の発表。

4 弥栄高校:「道保川(相模川支流)におけるスナヤツメの生息状況」
 絶滅に瀕しているスナヤツメの道保川における生息状況調査を行った。その結果,ドンコの増加がホトケドジョウやスナヤツメの減少の一因ではないかとの考察にいたった研究発表。

5 相原高校:「地元の野菜をもっと食べよう、野菜をもっと好きになろう」プロジェクト~「食育」「地産地消」から夢のある活動を目指して~
 日本人の野菜摂取量が目標の350グラムに達していないことに問題意識を持ち,同校農業科・商業科が協力して野菜入りのマフィンを試作,商品開発を行い,売り上げの一部を開発途上国の子供たちのために寄付するなどの一連の活動報告。

6 海洋科学高校:「゛透明魚゛を作る〜透明骨格標本づくり 実験・研究結果まとめ〜」
 12月17日に横浜国立大学で発表した2本の研究のうちのひとつ。魚の透明骨格標本制作の研究発表。二度目の大舞台での発表で,前回からさらに良い発表ができた。



7 横浜国際高校:「実践活動報告:小学校英語活動」
 選択科目「小学校英語活動」の活動報告。近隣の小学校と協力し,この科目を選択している小学校の3年生徒4年生計6クラスに対して,年間各5回,合計30階の授業を行った。授業に当たっては,本職の教員かおまけの学習指導案を作り,教材と授業展開を考え,リハーサルを重ね,授業実践後は省察を行って次の授業の改善を考える。本職の教師である私にもとても参考になる発表だった。

8 横須賀明光高校:「福祉専門科目「社会福祉実習発展」について 教室での学びと校外実習の学びについて」
 選択科目「社会福祉実習発展」の一環として,知的障害者授産施設で4日間の実習を行った。学校での机上の学習では気付かなかったこと,実習したことによって自分の意識に変化が現れたことについての発表。

2011-02-02

納得研究会の記事修正

 先日の納得研究会の記事のなかで,福田さんの発表の終わりごろの次の部分を修正しました。
 「ばらばらの学習をつなげる」の()の中です。

【正】
 ○ 何がほしいのか、使いたい場面からかなえる
   実験観察の動機付け
   実験観察の視点
   生徒の先行学習先行経験をそろえる
   ばらばらの学習をつなげる(単元ごとに分断されてしまっている学習,例えば、電子のことは電流として物理分野で学んだり,イオンとして化学分野で学んだりしていることをつなげるということ。自然はシームレス、というかひとつながり。)


《誤》
○ 何がほしいのか、使いたい場面からかなえる
   実験観察の動機付け
   実験観察の視点
   生徒の先行学習先行経験をそろえる
   ばらばらの学習をつなげる(出身中学の違い)