受講希望者は年々増えており、今年は県内の小・中・高および特別支援学校から50余名の教員が集まった。
本日のテーマ:「学習環境のデザイン」とはどういうことか理解し実践に役立てる。
今日の研修をより深く理解するための6冊(新しい順に):
- 有元典文他『ワードマップ 状況と活動の心理学』新曜社,2012年
- 茂呂雄二他『社会と文化の心理学 ー ヴィゴツキーに学ぶ』世界思想社,2011年
- 有元典文・岡部大介『デザインド・リアリティ』北樹出版,2008年
- 海保博之他『文化心理学』朝倉書店,2008年
- 加藤浩・有元典文他『認知的道具のデザイン』金子書房,2001年
- Jean Lave,Etienne Wenger(佐伯胖訳)『状況に埋め込まれた学習――正統的周辺参加』産業図書, 1993
本来はひ弱な動物(走力、跳躍、夜間視力、嗅覚・・・)である我々人間が、熱帯から極寒の地まで生存可能なのは、我々が学習する動物だから。
【生まれたての馬の動画】
馬は生まれて数時間したら自分で歩くようになる。だれかに立ち方歩き方を教わることもない。
人間が生きてゆくためには学習が必要だである。。
学習=可能性とも言える。
動機の高まる4項目
- R(ほんもの)Reality:現実性がある。
- I(わたしのこと)Identity:自分のこととして取り組めるか。⇔(NIMBY)
- S(かちのあること)Significance:意義をどれだけ伝えられるか。
- P(なかまになること)Participation:参加する。
学校でおこなわれることだけが学習なのではない。
【動機のわかない授業】
単なる頭の中の智恵だめし
自分の生活とかかわりのない課題
社会的価値がわからない
共に取り組む仲間がいない
【観察のツール】
問題を出して答えを出してください(ひとりで黙々と取り組む)
共同で学習させる
これらは学習環境をデザインしていること。
「ある学び方」を子供にさせているということに自覚的にる。
【人の「学習」の特性】
チンパンジーと人の学習の比較。
人の学習は模倣的,slavishである。
人は先生に従う。教えられたとおりにやろうとする。
教えられたことに忠実である。
チンパンジーは互いに教えあわない。
どのような指示を与えるかで子供の学び方はかわる。
【社会的分散認知】
行動は社会的、文化的状況とのセットで成り立つ。
人間の本質はひとりひとりの個人に内在する抽象物ではない。現実には人間の本質は社会の諸関係の総体(アンサンブル)である。マルクス
【内発的動機付け】
その動機が引き起こす活動以外の賞に依存しない動機づけ。
学習環境のデザイナー、教育場面をデザインする
【発達の最近接領域】
ZPD(Zone of Proximal Development)
ヴィゴツキーの教育観
zpdをあざ笑うことは教育ではない。できるように手心を加える。発達をみんなで作る。→これすてきだ! 赤ちゃんが大人の会話に加わって喃語を話せば、大人はその赤ちゃんと「美味しいね」「そうだね!」などと会話している。
赤ちゃんがつかまり立ちして歩けば「歩いた、歩いた」と言って皆で喜ぶ。「歩いたことにしているだけだ」とは決して言わない。
これらはzpdである。そのzpdをまわりから支えることで子供は発達する。
【レイブとウェンガー】
「状況に埋め込まれた学習」
学習は頭の中の獲得ではない。
学習とは参加である。
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